一休宗純の笠の仕上げ。後は草鞋を履かせればおおよそ完成である。雲水姿で竹竿にシャレコウベの一休、これが小学4年の時にイメージした一休和尚である。とにかく汚いという印象であった。印象といえば、なんといっても横目でこちらを見る一休の肖像画である。 一作目では正装でシャレコウベだったが、その一カットで一休は終わるつもりだったので、そのコントラストが面白いと思っていた。写真作品としては、こちらは朱塗りの大太刀を腰に差す予定である。横に乞食や夜鷹を配するつもりだったが、やはりくどいだろう。思いとどまる。犬も考えたが室町時代の犬といえば弓で射る競技が流行ったり、食用になったり、犬にはなかなか受難の時代だったようである。 久しぶりに人形もちゃんと展示したい、と考えているので写らない背後も作っているので随分時間がかかってしまった。写真作品だけを考えるなら今後も写るところだけで、被写体制作と撮影の二刀流のメリットを生かしたい。 風狂といえば一休宗純であるが、平面から立体化し、それをわざわざ陰影のない平面的な写真作品にする訳で、作者の方は酔狂ではないか、といわれそうだが〝感心されるくらいなら呆れられる方がマシ“な私であった。