結局一人目の禅師の頭部、仕上げ手前まで持ってきた。明日は相手の元寇を作るか、二人目の禅師に取り掛かるか、気分次第なので書かないことにする。 区長選の選挙カーがやかましいが、選挙カーというと思い出すのは麻原彰晃ともう一つ。幼稚園に通う道すがら、一台の選挙カーが通った。助手席で手を振っていたのは、新東宝の中川信夫の『地獄』の地獄絵に取り憑かれた画家、『東海道四谷怪談』では按摩の宅悦。その他で活躍した悪役俳優というより、どちらかというとメイク要らずの怪奇俳優大友純であった。モジャモジャ髪が風に煽られ乱れながら、笑顔で手を振っていた。朝っぱらから見るような、いや朝だからあの程度に済んだのかもしれない。道行く大人は唖然として凍りついていた。 現在こそ、悪役俳優に限って穏やかな良い人が多く、正義の味方が真逆の場合が多いことを一般人でも知っているが、昭和三十年代はそうではなかったろう。実際大友純もご面相とはイメージが違ったそうである。あれだけ凍り付かせ、応援効果があったのだろうか?