某禅師の肖像を作るならば、の続きである。重要文化財の木像だが、人の創作物である立体を参考に、立体を作る気にはなれない。それならば木像とは別人の趣きだが、肖像画を立体化する方がやり甲斐がある。しかも本人の賛が書かれているということは、ある意味では、本人のお墨付きと言えるのではないか? 調べると誰の作かは判っていないが、中国(宗)で描かれ、本人が来日時に持参した可能性があると言う。また、木像を文化庁が調査をした際の記録を見つけた。木像は厚塗りの補修がなされていたのを剥がし元の姿に戻したというが、補修前のCT画像を見ると、そのさらに下には受け口は同じだが、はるかにおちょぼ口で、さらに目が切長ではなく、より垂れ目である。また顎の先端の華奢な感じなど、全てが肖像画に近く、肖像画の方が本人に近い、と判断した。作るとしたら肖像画の立体化であろう。昨日重要文化財に異を唱える訳ではないが、と書いたが、良く見たら肖像画は国宝であった。