ムツゴロウ氏が亡くなった。特に興味がある人物ではなかったが、以前番組中、ライオンと戯れているように見える場面を観たが、その時指を一本食いちぎられていたと知ってビックリした。 私がずっと恐れていたのは死の床で、あれを作りたかった、これを作るべきだった、と身を捩り苦しむに決まっている、という事であったが、それを回避するには、先の予定を立てないことだ、と昨年対処法が浮かんだのだから、龍を作ることなど考えず、目の前のことだけを考える事にした。 本日作り始めたのは元寇、つまりかつてのモンゴル兵である。架空の東洋人であるから難しくはないが、表情をどうするか、禅師に剣を向けたところか、禅師の言葉に打たれた瞬間か。表情がそれによるだろう。現場は宗の時代の中国の寺だが、陰影の無い手法によれば、背景は全くの無地でも構わない。背景などただの状況説明の道具に過ぎずないから要らない。なんていえてしまうのが石塚式ピクトリアリズムの良いところである。