中国から日本へとオキテは守られ陰影は描かないし、実に律儀だと感心する。これは当時としては新しいなんて思うと、大体先達がいる。どうも写すことが学びの基本だったからだろうか。また野島康三が新しい写真表表現を、とゼラチンシルバープリントに転向してからの作品は逆に古くなってしまった。トリミングが斬新といったところで、ブルーノートレコードのデザイナー、リード・マイルスのトリミングを経験している目からは何も感じない。そう思うと、曾我蕭白に広角レンズを覗いたことがあるかのような作品がある。あれはいったいどういうことなのだろう?と書いたところで寝てしまった。 タクシーを降りたところで「あんたは金持ちの坊ちゃんだから寒山拾得なんて言ってられるのよ。私たちはそうはいかないの!」と長澤まさみに強い調子で言われる夢を見た。すっかり反省しながら目が覚めた。