大江戸線に乗っていて、知り合いが来ている、と金魚坂から電話、そろそろ着く頃、と思ったら大門。反対側に乗っていた。着くとT千穂の女将さん、娘さんにお孫さん。金魚娘の浴衣は女将さんに着付けてもらい、赤いリボンも貰った物を着けた。帯は金魚の尻尾をイメージし、材質、長さの違う物を二つ絡ませて貰ったが上手くいった。そんな作業も随分前の事のようであるが、これで私には珍しい金魚とおじさまこと、室生犀星の可愛らしい物語は終わった。 今日は、リコーイメージングスクエア銀座の池永さんが息子さんと来てくれたが、ふげん社の個展は、三島由紀夫で、というのは、引き合わせてくれた池永さんも聞いていたので聞き間違いではないだろう。 子どもの頃、父親の書斎だかで聖セバスチャンの殉教図を見て初めて〝気をいかして〟しまった三島。苦しみながら死ぬ事を決めた瞬間であろう、と私は考える。挙げ句に下手くそな介錯のせいで、自ら舌を噛み切ろうとした。美しく死ぬのであれば介錯人の選択は明らかに間違いである。三島歌舞伎『椿説弓張り月』にどさくさに紛れて聖セバスチャンを紛れ込ませたのを見つけた私は、これによって〝陰影なければ何でもできる〟と言う事を三島が愛した血みどろ絵調に描く事により証明したいと考えている。私の〝悪癖〟である、もっともっとという部分も、三島なら全く問題なく受け止めてくれるであろう。

【タウン誌深川】〝明日出来ること今日はせず〟連載第15回『美容院には行かないで』

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『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界