女将さんが店内にいると、早く部屋に帰って来いと鳴くのが猫のモッコである。神経質な猫であるが、私がカメラをかまえ名前を呼ぶと、何故だかちゃんとレンズを見つめてくれる。 ミラーレスカメラに5、60年代のレンズを着け、絞り解放で撮ることも多い。当然ピントはマニュアルなのでピンぼけ写真も多い。私の場合、まだ老眼を感じたことがないが、乱視が進んでいるせいだろう。なのに眼鏡はただ紫外線をカットするだけの素通しである。飲酒の果てにしょっちゅう寝床で壊してしまうことと、乱視の度が左右異なるため、床が斜めに傾いて見え、身長も2メートルほどに感じてしまうからである。 モッコはかなりな年寄りらしいがモッコらしいカットはすでに撮ったと思っていたが、モッコ出てきた。の声を聞くとどれどれ、とつい見にいってしまう。そして昨日ピントがドンピシャというカットが3カット撮れた。モニターでチェックすると中の1カットでは、撮影者より位は上。という表情をしている。撮らせていただく都合上しかたないだろう。