粘土やカメラばかりだと、なかなか頭から去ってくれなかった河童の三郎も、下手なギターをかき鳴らしているうち、ようやく何処かへいってくれた。趣味とは有難いものである。下手だということも肝心で、これが人前で披露するような腕前なら、それはそれで悩みの種になりかねない。 それでもT千穂に行くと、三郎の幻影のような物があらわれる。先日救急車に乗せたばかりのこの幻影は、懲りもせず、同じことを繰り返している。あれだけ頭を強打して生きているのが不思議である。おそらく盲腸あたりが脳の役割をしているのであろう。 これからの季節、屋外で凍死、道路清掃車にスポッと吸い込まれる可能性が高いが、いくら周囲がいっても聞かないのだから、くたばろうとしょうがないだろう。という空気が漂い始めている。だが先日、例によって朝から飲み続けて泥酔状態。T千穂を出て行って、閉店時間近く暖簾も仕舞っているところへ帰ってきてしまった。ところが店に入ったところで薄暗い中なぜか突っ立っている。すぐに判った。カウンターに○○長がおり、怖くて近づけないのである。やはり酒がらみで叱られたことがあるそうだが、まるで結界を超えられない河童。というより焚き火が怖くて近寄れないイタチである。実に面白かった。誰のいうことも聞かないこのイタチを退治するのは○○長の貫禄しかないだろう。それで駄目なら保健所に通報である。 最近はイニシャルも書かないようにしているイタチだが、おかげで、その人だと勘違いされて迷惑しているのが○2さんである。申し訳ないが酔っ払いには違いがない。本日も遅くにやってきたが、話したところで覚えていないことが判っている。そう思いながらの会話はむなしく死体と話しているが如き気分である。適当に相手をして帰った。

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