ミミズクは2カット木に止まらせた。前作とは比べ物にならない出来である。あと1カット作って女性の顔を合成する予定。ミミズクが泊まる杉の木だが、以前杉だと思って撮影していたら杉でなかったことがある。どんな植物でも枯らしてみせる植物音痴の私だが、近所の神社にはあんな紛らわしいものは生やしていまい。撮りに行くことにする。 本日、ようやく冒頭の河童が石段を上がって行く背景を、2転3転のあげく。いや5転はしただろう。良い石段が各シーンに使われて行き、後ろ姿の小さな河童ごしに見えるには絶妙の角度の1カットを見つけた。 河童の三郎は、このままでは姫神様に失礼だ、と。カカシのボロを剥いで着ている。それがまだ決まっていない。粘土で行くか布でいくか。鏡花は布地に模様があれば、たとえカカシだろうと書くのではないか。よって無地ということだけは決めている。 ここへ来て細かいデイテールを追い込んでいる。なぜあの頃、この程度で喜んでいた。と呆れるばかりで時間ばかりかかるが、おかげである場面だけが目立つ、ということがなくなってきて、各場面が共鳴してきている気がする。