河童の三郎は、房総に遊びにきた芸人三人組の中の娘の尻を触ろうとして怪我をする。自分が悪いくせに、怪我をさせられた人間どもに復讐しようとする。最終的には機嫌をなおし、空を飛んで住まいの沼に帰って行く。 柳田國男演ずる姫神様に仕える翁がカラスに河童を送って行くように命ずる。街は行水時である。好色な三郎が白い脛にまた迷い、横道にそれないとも限らない。河童とカラスは「ひょうひょう」と梅雨空を飛んで帰って行く。クライマックスシーンを作ってみた。飛んでいる三郎はまだ作っていないので、カラスを二羽飛ばせてみた。モノトーンの良い感じになった。改めて見ると、カラスの目は案外可愛らしい。すくなくともパンダの目よりは善良そうである。 河童は大騒ぎしたあげくに帰って行ったが、自分勝手な性格で、学習能力に欠けている。今回は腕を折っただけで済んだが、鎖骨を折った時は、数週間後に額をへの字に23針縫っている。房総で酔っぱらって自転車でカーブを曲がりきれずにガードレールにぶつかった時は、携帯の声は情けなさで涙声であった。定年後の3年だけでも、すでに救急車に3回は乗っている。私は同じ事を何度も繰り返す、こんな馬鹿な河童は見たことがない。独特の笑顔をみせるが、頭をぶつけすぎた河童の顔はこうなる。と柳田國男は書いていなかったろうか。 いつの間にやら近所に生息する、妙な生き物の話になってしまった。