日曜日に撮影でお世話になるMさんと、T千穂で打ち合わせをすることになった。出がけに土曜日撮影させてもらうことになっている、タクシー運転手役のK2さんから明日の打ち合わせをしないで良いのか、というメール。日曜日に河童に化かされ踊ることになっているMさんを考えると、K2さんはただ歩いてもらうだけである。何も心配ありませんと返事。 Mさんは奥さんとみえた。奥さんには着物を拝借し、コーディネイト着付けまでお願いし、大変お世話になっている。昼夜着物を換えるという贅沢な状況になってみると、『貝の穴に河童が居ること』を作品化することを決め、私はどうするつもりだったのかとゾッとするのである。 そこへT屋で飲んでいたK2さん。借りてきた衣装を持っている。大正時代の写真集を見ていて、タクシーの運転手が現代のある服に似ているものを着ていたので借りてもらった。K2さんには大きめであったが、現代の感覚でピッタリである必用はない。今とは違うが当時はこんなだったのかも。というくらいが良い。しかしコピーライターでアートディレクターもするK2さんからすると、着ているところを事前にチェックもしない私が信じられないようである。 私は今回の人選を顔だけで選んでいるといってきたし、それは正しいのだが、先日の意外なほどの好結果に、付き合いも今日、昨日の人達ではない。意識せずに、あらゆる部分をチェックして決めていたのではないか、と思うようになってきた。 K2さんは自前で帽子を買ってもらってしまった。生真面目な性格ゆえ、相当念を入れて選んでもらったのは想像にかたくないが、「俺は帽子絶対似合わないんだって」。 まったく問題ありません。奥さんに「アンタ私が似合わないっていうから嫌味でわざと被ってんでしょ!」といわれているタクシー運転手。あると思います。

去の雑記
HOME