いよいよ明日、異界の物共に対する、人間達の撮影である。元々資産家であり、趣味が高じて笛吹きの芸人になった男とその妻である踊りの師匠。その師匠仲間の娘である。出演者はすべて私のブログに登場したことのある人達である。つまり素人だが、そんな素人に、例えば自然な雰囲気で、などといっては酷である。その点に関しての対策はすでに考えてある。私が撮られる立場であったなら、こういってくれれば、そのくらいは出来る。ということをお願いするつもりである。 実は真面目人間の植木等は、映画『無責任シリーズ』で、何故ここで笑うのだろう、と良くわからずに演技していた、と本人がいっていた。つまり結果良ければすべて良しである。 私は直接聞く事はないが、漏れ伝わる所によると、案外楽しみにしていただいているらしく、私が用意するつもりであった小道具の帽子を、自前で購入した人までいる。まったく申し訳ないというか有り難いことである。そこまでしていただくと、出番を増やしたくなるのが人情というものだが、しかし全体のバランスがある。それはまた別の話であろう。そういう場合は編集者のせいにすれば良い。だいたい本日編集者と、ようやく三回目の打ち合わせだ、と思ったら腸がどうしたこうした、とキャンセルである。少しは役に立つべきである。「いや編集者が眠狂四郎みたいな奴で、このカットは重要だ、と再三頼んだのに切られちゃって」。 そもそも河童が登場するような○○な作品にちゃんと取り組んでいたなら、腸がおかしくなるはずがないと思うのである。