令和6年第1回定例会代表質問③ 須藤英児(令和6226)

Ⅴ令和島など大田区内人工島の今後の展望について

●令和51218日、小川あずさ議員、伊藤つばさ議員と共に大田区の人工島、平和島、昭和島、東海、京浜島、城南島、令和島、羽田空港島を回り、今後の人工島の可能性を模索しました。

◎令和島をはじめ、人工島には「働く場」「レジャー・スポーツの場」「災害時の防災拠点の場」「港湾・先端テクノロジーの実装の場」と多くの可能性を感じております。令和島をはじめ、可能性を多く秘めた人工島に対する大田区の今後の展望を区民に示すべき、と考えます。区の考えをお聞かせください。

 


区長答弁

〇令和島など空港臨海部の今後に関するご質問ですが、空港臨海部は、日本の製造業の基盤を支える工業集積地であるとともに、首都圏の一翼を担う物流の一大拠点となっており、また、都心部としては貴重な大規模な公園・緑地など自然資源も多く、憩いの場・賑わいの場として、更なる魅力の向上が期待されている場所である。

〇区は、空港臨海部の強みとして、オンリーワンのものづくりなどの「産業特性」、世界と近接している「立地特性」、物流、防災拠点が存在する「都市資源」など、2040 年の地域の将来動向を見据え、目指すべきまちづくりの方向性を整理し、 令和3年度に改訂した「空港臨海部グランドビジョン 2 0 4 0(ニセンヨンジュウ)」に掲げる「高度な産業の集積拠点」、「人の活動と自然の調和」、「次世代のインフラ整備」を3つの基本方針として、将来像の実現に向けて取り組んでいるところである。

〇これら3つの基本方針を実現するため、地域特性を踏まえ、羽田空港は、「世界交流の場」、昭和島、京浜島及び城南島は、「ものづくりの場」、平和島、東海は、「物流の場」、令和島は、「港湾・先端テクノロジー実装の場」として、まちづくりを進めている。

〇令和島は、次世代の港湾物流機能の導入として、水素などの次世代エネルギーや風力などの再生可能エネルギーを利活用した先端テクノロジーの実装の場とすることを重点プロジェクトの一つに掲げている。また、東京都は、令和4年2月に「東京ベイ e S Gイーエスジーまちづくり戦略 2 0 2 2(ニセンニジュウニ)」を策定し、東京のベイエリアの 50 年・100 年先を見据えた 2040 年代のあるべき姿を示しており、令和島を含む中央防波堤については、再生可能エネルギーや次世代モビリティなどの実装エリアとして、区と同様の位置づけとなっており、イ 2 0 2 4(ニセンニジュウヨン)」を開催することとしている。

〇区は、空港臨海部の強みである各島々の地域特性を相互に発揮しながら「区民に親しまれる空港臨海部」、「高い雇用獲得力を誇る空港臨海部」を目指しており、計画実現のためには、区民の皆様のほか、事業者、研究・開発機関、区をはじめとした行政などが連携して取り組むことが不可欠であり、多様な主体が参画する機会を充実し、連携を一層推進することで、「空港臨海部グランドビジョン 2 0 4 0(ニセンヨンジュウ)」に基づいた、持続可能なまちづくりを進めている。

 

Ⅵ地産地消を考えた学校給食について。

●私は令和3年から大田区内の農地を見て歩き、農産物を生産している方々と話をしてきました。また、大田区内で生産された農産物を販売する「JA東京中央ハウジング馬込店」に頻繁に伺い、大田区内で生産された農産物を販売する方々や購入する方々と話をし、身近な場所で採れた農産物に高い価値を感じている方々が多くいる事を実感しております。

◎区立小中学校の給食において「食」を身近に感じる事は、食育・地産地消の観点から重要です。可能であれば大田区や都内で生産された農産物を採用するべきと考えます。学校給食を通した食育について区の考えをお聞かせください。

 

教育長答弁

〇学校給食を通した食育に関するご質問について答えます。

〇食は、生きる上での基本であり、児童生徒にとって「知・徳・体」の調和のとれた人間形成の基礎となっている。そのため、様々な経験を通じて食に関する知識と望ましい食習慣を身に付け、適切な栄養の摂取による健康の増進が図られるよう、学校給食を「生きた教材」として活用し、効果的に食育を推進することが重要と考えている。また、食育基本法に基づく、国の「第4次食育推進基本計画」には、目標の一つに「学校給食での地場産物を活用した取組等を増やす」ことが掲げられ、食に関する指導に活かすことで地域の自然や文化等の理解を深めるとともに、生産者や食に関する感謝の念をはぐくむうえで重要であると示されている。

〇本区では、区立小中学校において学校給食に、原則として国産食材を使用し、できる限り地場産物を採り入れており、区内産の農産物については必要な供給量の確保が難しい状況ですが、東京都内で生産された新鮮な農産物を多くの学校で積極的に活用している。

〇例えば、東京都において、農地の少ない区へ供給する取り組みとして八王子市内で運営されている農場で栽培された各種野菜をはじめ、江戸川区産の小松菜、伊豆諸島産の明日葉など、多様な種類の地場産物を多くの学校で献立に採り入れている。これらは、「給食だより」や給食時の校内放送で由来や産地なども含めて紹介しながら、地場産物の価値や魅力、食材の生産・流通・消費等について理解を深め、残さず食べる意欲を高めることなどにつなげている。

〇また、こどもたちが、健康な心身をはぐくみ、生涯にわたり健やかに生きるための基礎を養うため、来年度は、東邦大学と連携し「おいしくて健康になる給食メニュー」の研究・開発と給食提供の試行を考えております。このモデル校には新教科「おおたの未来づくり」のテーマを「食と健康」として取り組む小学校4校を予定しており、こどもたちが給食を通して、減塩や食物繊維摂取量増を目指した献立づくりや偏食の克服、食品ロス削減などを学び、家庭とも連携して食への意識を一層高めていけることに期待している。

〇今後も、大田区のこどもたちが、健やかに生きていくための適切な食習慣を身に付けるとともに、国や地域の食文化に関する理解を深め、自然の恵みや生産者への感謝の気持ちがはぐくまれるよう、給食を通じたさらなる食育の推進に取り組んでいく。

 

 

Ⅶ 米や米粉を使用した学校給食について。

●昭和54年、私が5年生の時、カレーライスが初めて山王小学校での米飯給食として出された時、教室中に歓喜の声が上がりました。当時のパン食中心の学校給食の中で「給食でご飯が食べたい」という子供たちの願いが叶い、身近なお米を使った給食が大田区立の山王小学校の給食に初めて登場した瞬間であり、あの日の事を忘れる事が出来ません。

◎区立小中学校の給食の主食において、国内で調達でき、アレルギー症状対策にも有効な、米や米粉を使用した給食の割合をもっと増やすべきと考えます。区の考えをお聞かせください。   

教育長答弁

〇米飯給食に関する質問。さきほど昭和54年の米飯給食の始まりの話がありましたが、私もこの昭和54年に初任教員として5年生を担任しており、初めて給食にご飯が出たときのことが大変印象に残っている。

〇さて、学校給食については、平成21年の文科省通知「学校における米飯給食の推進について」に基づき、区立小中学校においても米飯給食を推進している。子どもたちの心身の健やかな成長にとって、また、食に関する正しい理解や望ましい食習慣を養ううえで、学校給食は大変重要な役割を果たしている。

〇給食には、学校の食育活動における「生きた教材」としての役割があり、学校給食を充実させるため、主食として米飯を中心とした給食を着実に実施するとともに、児童生徒が多様な食に触れる機会を創出している。

〇我が国の伝統的な食文化はもちろん、こどもたちが世界の食文化等についても理解を深めることができるよう、諸外国の代表的な料理を献立に取り入れるなど、各学校が工夫を凝らしている。例えば、カレーの際にナンを出したり、パンでは、ピザトーストや大田区発祥の揚げパンなど、また麺類においてはジャージャー麺やパスタなど、様々な種類の主食を提供している。

〇現在、区立小中学校の学校給食の主食における米飯の割合は、文部科学省の学校給食摂取基準を踏まえて規定している大田区の学校給食における食品構成を基に、小学校では週5回あたり3.25回、中学校では週5回あたり3.5回を目安として各学校が献立を作成している。

〇引き続き、パンや麺類などの主食も採り入れながら、伝統的な食生活の根幹である米食の大切さを十分踏まえ、現行の標準食品構成に基づき、米中心の主食構成により、豊かな食育を推進していく。