石垣市で学んだこと・復習Ⅰ(令和5110)

◆尖閣諸島

◎尖閣諸島は、我が国固有の領土であり沖縄県石垣市の行政区域である。石垣港離島ターミナル2階にある「石垣市尖閣諸島情報発信センター」では、歴史的史料や自然環境の状況をはじめ、尖閣諸島に関する情報を正しく知ることが出来る。

尖閣諸島における取り組み(石垣市の海洋基本計画より)

現状と課題

尖閣諸島は、石垣島の北西方、東シナ海に散在する無人島の島しょ群で、八重山では昔から「イーグン・クバジマ」の名称で呼ばれ、周辺海域は有数の漁場として知られている。

明治 28 年、政府は尖閣諸島を沖縄県所轄とすることを閣議決定し、翌 29 年に沖縄県知事は、これらの島々を八重山郡に編入した。なお、明治 35 年に、同諸島は石垣島大浜間切登野城村に配属され、地番も設定された。

明治 30 年からは開拓事業が開始され、明治 42 年の人口は 248 に達している。

●尖閣諸島では、過去に地形測量や様々な調査が実施されている。環境関係では、昭和 25 年に琉球大学による生物相及び資源に関する学術調査、昭和 38 年にはアホウドリ等の学術調査が実施されている。また、昭和 44 から 45 年にかけては総理府が海底地質調査、九州大学・長崎大学が地質と生物調査を実施している。特に、琉球大学を主体とする昭和 20 年代から 30 年代の 5次にわたる学術調査は、様々な制約の中で実施されたが、非常に貴重なものである。

●尖閣諸島は、周辺から隔絶された絶海の島しょ群である。また、開拓団が引き上げてから、限られた調査団等が上陸しているほかは、人間の影響をほとんど受けていない。さらに、周辺の海域は好漁場となっている。すなわち、島々の陸上及び周辺の海域は、わが国のみならず、世界的にも貴重で豊かな生態系が形成されていると考えられる。

●学術的に貴重な尖閣諸島の陸域及び海域生態系は、適切に管理・保全されるべきである。また、豊富な漁業資源の適切な管理と利活用の検討も必要である。海底鉱物等の海洋資源が存在する可能性もある。これらをテーマにした各種調査研究を実施することの重要性は高い。さらに、絶海の島しょ群である尖閣諸島において、これら調査研究を進め、また、適正に管理していくためには、最低限の施設とルールが必要である。施設に関しては、環境負荷に充分配慮すべきであることから、海洋再生可能エネルギー等の自然エネルギー活用などの検討も同時に進める必要がある。