大田区議会 令和4年予算特別委員会 総務費 39日 須藤英児

 

Ⅰ犯罪対策について

●警視庁の住まいる防犯110番によりますと、東京都の刑法認知件数は、平成8年から平成14年にかけて増加を続け、285万件に達しましたが、平成15年からは減少傾向に転じ、令和2年は614,231と戦後最小を更新しました。このうち、住宅を対象とした侵入窃盗の認知件数についても減少傾向にあるものの、令和2年中は21,030もの侵入窃盗事件が発生致しました。

●区民の命と安全、財産をまもるために、住宅や店舗等に侵入し金品を窃取する犯罪である侵入窃盗の現状認識と侵入窃盗に合う事を身近な問題として考える必要があります。

質問1

◎大田区における令和3年の刑法犯認知件数は令和2年より723件減少したものの、まだ3,361も発生しています。侵入窃盗は、令和2年より48件減少しましたが、令和3年は110件発生していて、さらに減らすために対策を強化すべきと考えます。侵入犯罪を防ぐ方法を伺います。

 

回答①

◇侵入窃盗の防犯対策は、戸締りを確実にすることはもとより、ドアや窓に対する防犯対策が有効。

◇例えば、鍵を二つ以上つける、窓に防犯フィルムを貼る、最近ではセンサー付きライトを設置する。

◇また、警視庁が発行している防犯パトロールマニュアルによると、空き巣等の侵入犯罪が多発している地域は主に住宅街とされており、犯罪を未然に防止する方法の一つとして、現在、地域の皆様が行っているパトロール活動は、地域の犯罪防止に大きな効果がある。

◇特に、住宅街の裏路地等のパトロールには、犯罪者の側から見れば、自分が「見られているのではないか。」「通報されてしまうのではないか。」との危機感を抱かせるという効果がある。

◇こうした「地域の目」の活動を合わせて行うことで犯罪の起きにくい街にしていくことが大切。

 

 

質問2

●カギを掛けていても、侵入被害に逢った例は、近所でも多数聴いています。対策を講じても犯人が自宅などに入ってきた場合の対処方法は知っておくべきと考えます。区の考えを伺います。

 

回答②

◇犯人が自宅などに入ってきた場合、まずは、大きな声で助けを求めたり、自宅から飛び出して、身の安全を守ることを最優先にする。

◇犯人を説得したり、捕まえようとすることは、非常に危険な行為である。

もし、犯人が凶器などを振りかざしてきたら、素手で抵抗をするのではなく、近くにある物を投げつけるなど、犯人との距離をとりつつ、隙を見て逃げる。

110番通報は、近くにいる人にお願いしたり、犯人を刺激しないため、自宅から離れた場所で行い、犯人の人相や服装など、なるべく多くの特徴を警察に伝えることで、早期の検挙につなげる。

 

 

●そうは言っても、常識の通じない犯罪者が家に侵入してくる訳で、不測の事態を各家庭で考える。家屋内に浸入された時の事を想定、対策を考えておく必要はあります。

●私が中学生の頃、実家が空き巣に逢い、窓ガラスを割られ、カギを開けられ、家屋内を荒らされ金品を盗られました。「もし犯人と出会っていたら、大惨事の可能性もあったのでは」と考えると今でも恐怖を感じます。

◎大学生の時の下宿先でも空き巣に合い、蔵王温泉のホテルにて2週間住み込みで働いて得たお金を全て盗られた、辛い経験もあります。

 

まずは、ネットランチャーです。

3.5mの距離をとり、相手の動きを一時的に封じることができます。もがけばもがくほどネットが体に絡みつき身動きが取れなくなり、刃物を持つ相手の動きを止めるのに有効であると思われます。幼稚園保育園・学校施設を中心に4万件以上の設置実績があるとの事、玄関に飾っておけば、抑止にもなります。

 

 

 

 

 

 

 

②次は「さすまた」、侵入者と2mの距離がとれ、複数人で使えば、侵入者を制御する事は可能と考えます。

 

 

 

 

③防犯カラーボールは犯罪者の逃走を困難にし、逮捕・検挙を円滑に行うことが目的で、向かってくる侵入者を制御する事には向かないと思われます。

 

 

 

◎やはり、家屋内に侵入者を入れない事が重要です。

●玄関などに張るだけの防犯ステッカーも、犯罪抑止効果があると思います。

 

 

 

 

 

●さらに、私たちの住み暮らす「地域内で犯罪を起こさせない」、「犯罪者を地域に入れない」ことが重要です。

●私も町会自治会、父親の会仲間、消防団などで防火・防犯、防災を目的に16年ぐらい地域パトロールをしていますが、最近は、「うるさいからやめろ」「地域パトロールに意味はあるのか」「拍子木を鳴らすのは逆効果なのでは」など、不満や疑問の声を多数聴きます。

 

質問3

●そこで、地域防犯パトロールの意義について問います。区の考え方をお示しください。

 

 

回答③

◇地域防犯パトロールについては、「地域住民自らが地域ぐるみで街の安心を見守っている」ことをアピールすることにより大きな成果を挙げていると認識している。

◇区は、年末年始を除く毎日、小学校の下校の時間帯を中心に警視庁OBの客引き客待ち防止等指導員が青色回転灯車を活用し、通学路の安全確保のため、パトロールをする。

◇地域の安全・安心を確保するには、警察や区だけではなく、地元をよく知る地域の方々の目が不可欠なことから、区では、地域で実施している青色回転灯車によるパトロールや地域安全・安心パトロールの経費を助成するなど、活動を支援、促進し、犯罪のない安全・安心なまちの実現のための対策を強化している。

◇引き続き、区内関係部局、地域団体や区内警察署と連携して、犯罪ゼロを目指し、粘り強く取り組む。

 

●地元をよく知る地域の方々の地域の見回りをする意義は大きいと感じています。防犯目的ではありませんが、私が所属している大森消防団第8分団では、拍子木の音を鳴らすのを自粛していた時、地図に消火栓や消火器、防火水槽の位置などを記載して回りました。

●防犯パトロールでも、地域をよく知る方々が、地域内の犯罪の起こりやすい「見えにくい場所」などの地図への落とし込み等、地域パトロールを通しての防犯地図作成は実施してみたいと考えています。

●放置自転車や不法投棄されたごみ、電灯の不具合の発見など、地域パトロールを通してやっていることは、多々ありますが、新たな発見・提案ができたらと考えています。