令和3年第一回定例会代表質問 令和3年2月24日
質問④羽田空港や多摩川など地域を知る教育
●現在、大田区内の小中学校では、地域を知る教育として羽田空港、大田市場、ごみ処理場、多摩川について学んでいるとの事ですが、より地域を知る教育に力を入れるべきと考えます。特に羽田空港や多摩川からは多くの事を学ぶことが出来ます。
◎羽田空港で働く方は約5万7千人、そのうち大田区民は約1万8千人で約32%を占め、74万人の大田区人口の約2.4%を占めます。これは、息子や娘の小中学校の時、クラスに一人は、羽田空港関係者を親に持つ子供がいた事からも納得できます。「大田区」を知らない方にも、「羽田空港を持つ大田区」と説明すると、大抵の方には位置を解かって頂けます。
●また、航空機の出す音から、音は波である事を理解できれば、音の大・小、音の高・低、音色、音の屈折、音のドップラー効果なども、より、明確にイメージできます。
◎多摩川から学ぶことも多いです。多摩川は山梨県にある笠取山から羽田沖まで、1都2県30市区町村にまたがり、西から東に全長138㎞の長さを誇る1級河川です。
●令和元年台風19号の大雨により多摩川の水位は上昇し、その影響により、大田区も700棟以上の浸水被害があったことは記憶に新しい事と思いますが、さかのぼる事47年前の昭和49年にも大田区内で40棟以上の浸水被害がありました。この時、狛江市では多摩川の堤防が決壊し民家19棟が多摩川に流失し、「岸辺のアルバム」というドラマが誕生しました。
◎多摩川の最下流部に位置する大田区は、過去に、何度も、増水による浸水被害に遭っていて、さらに高潮による浸水被害の恐れがある事も、知る必要があります。
●また、多摩川では多種多様な生き物の存在を確認できます。空を見上げれば、チョウゲンボウなどの鳥類、草原には、トノサマバッタなどの昆虫類、川中にはテナガエビなどの甲殻類を確認することが出来ます。また、川の水を採取し、プレパラートを作成すれば、様々な動物プランクトンや植物プランクトンを顕微鏡観察することができます。
●私も小学生の頃は、多摩川でクサガメを捕まえたり、「鯉の吸い込み釣り」をしたりしました。多摩川を知ることで災害の脅威や多様な自然環境を学ぶことが出来ます。
◎そこで伺います。大田区民約1万8千人が働く羽田空港、災害や自然環境を学べる多摩川など、身近な地域を題材にした教育にもっと力を入れるべきと考えますが、区の考えをお聞かせ下さい。
教育長答弁
羽田空港や多摩川など身近な地域を題材にした教育についてのご質問です。おおた教育ビジョンにおいて、「地域の特色を生かし、学校・家庭・地域が連携・協働して子どもを育てる」をビジョンの一つに設定してございます。このビジョンに基づき、区立小中学校では、地域の特色を生かした教育活動を展開し、地域を知る教育に力を入れております。区が誇る羽田空港は、小学校3年生の社会科で「わたしたちの大田区」という学習の一環として、社会科見学で多くの学校が訪問しております。また、多摩川近隣の学校では、自然環境を教材とした生活科や理科、総合的な学習の時間での学習を行っております。例えば3年生の総合的な学習の時間では、多摩川ウォッチングを行っており、多摩川の自然についての理解を深めています。その中で「ガサガサ体験」と
いう名称で、実際に多摩川に出かけ水生生物の観察をする活動をしております。また、ライフジャケットを着て多摩川に入り、採れた生き物を育てながら観察しております。引き続き、地域の特色を生かした教育活動を重視し、我がまちおおたに対する理解を深めながら、愛情を育んでまいります。