大田区議会 令和2年予算特別委員会 福祉費
令和大田区議団 須藤英児(令和2年3月10日)
●昨年11月、大田区議会区政施策調査団(令和元年欧州方面)にて、高福祉国家スウェーデンの一般的なシニア住宅(コレクティブハウス)を視察してきました。そこでは、1940年代の建物を改築し、子供を持たない50名(平均年齢70歳・男性が25%、女性が75%)が、当番制で夕食を作ったり、音楽会やお楽しみ会を開催したりと、イキイキと共同生活をしていました。素敵な出会いもあり、カップルも誕生するとの事です。
◎そこで見て・感じたことは高齢者の自立した生き方と暮らし方です。
●令和2年2月の大田区の人口 734,460人(396,922世帯)で、令和2年1月時点の65歳以上高齢者人口166,110人、単身世帯高齢者人口は約58,000人です。65歳以上高齢者率は約22.62%、高齢者の3人に1人の34.92%は単身者です。
〇大田区内でも高齢化率は上がり、単身高齢者の占める割合も上がると見込まれます。その上で高齢者が元気でイキイキと暮らせる大田区を目指し、高齢者一人ひとりが「自助」として、元気の維持や介護が必要になった時のために備える事が、求められます。より多くの高齢者が「支えられる側」から「支える側」になり、多くの地域資源を活用しながら互いに支え合える「互助」の地域の形成が必要です。
●また、高齢者がイキイキと生きるために欠かせないのは、社会の中での「つながり」や「役割」を感じられる環境づくりだと思います。
問⒈
大田区内において、地域パトロールや清掃活動等、高齢者が「地域を支える」現場を数多く見てきました。区として高齢者が「地域を支える」取組みに支援していることは何かありますか?
回答⒈→
◇大田区シルバー人材センター
●事務管理・一般作業・技能作業・サービス分野など、様々な職種で活躍しています。
●地域イベント等における社会奉仕活動にも、積極的に参加しています。
●区は、同センターの円滑な事業運営のために、助成を行っています。
◇大田区シニアクラブ連合会
●見守りや奉仕活動に取り組んでいます。
●区は、運営費の助成と、シニアクラブ連合会理事会の事務局活動の支援をしています。
問⒉
それでは、大田区において会員数が3,000名を超えるシルバー人材センターでは会員相互の交流はありますか?15,000人を超えるシニアクラブはで要介護の状態にならないための取組みとして、どのような事をしていますか?
回答⒉→
◇シルバー人材センター
●シルバーサロンを開催しています。
●会員や役員等が自ら知人・友人等に働きかける入会促進に取り組んでいます。
◇シニアクラブ連合
●大田区民踊大会やゲートボール大会、旅クラブ等をしております。
●例として大33回文芸作品展が、多くの来場者で賑わっている。
問⒊
高齢になっても学び、自分を磨くことは重要で、高齢者ご自身にとっても喜びとなると思います。シルバー人材センターやシニアクラブでは、学びや研修にどのように取り組んでいるでしょうか?
回答⒊→
◇シルバー人材センター
●接遇・安全や技能・技術、新たな能力開発に取り組んでいます。
●入会時に申告された知識や特技を活用した就業機会の提供をしている例もあります。
●英会話講座も実施しています。
◇シニアクラブ
●防犯や防災活動に取り組んでいます。
●各種の学習会や教養講座、文化伝承活動等の各種文化活動に取り組んでいます。
●今後、高齢者のアプリ活用や高齢者に向けたマイタイムラインに関する研修等の支援を検討しています。
〇私がよく利用する大森駅西口前、以前はたばこの吸い殻が散乱していましたが、シルバー会員の活躍でたばこの吸い殻を捨てる人が激減し、感謝しております。
〇また、私は、大田区の高齢者が日本各地の災害現場で復旧・復興支援活動に従事し、各自の知識や経験、技術や能力を生かした活躍を数多く見てきました。「自分の命は自分で守る」、自助の強化として、高齢者に向けた「マイタイムライン」に関する研修等の支援も、是非、実現して頂きたいと熱望しています。
◆「平成24年度 高年齢者就職確保実態調査 調査報告書」によりますと。シルバー会員が入会後、普段の生活に変化があったか、否かの質問に対しての回答は、
健康が増進した16%、生きがいがあり・充実した生活が送れるようになった35%、地域社会の貢献に関心を持つようになった11%、生活全般に意欲的になった9%で、生活が前向きに改善されたことを意味する4項目合計で71%を占めています。
〇大田区内にも豊富な知識・経験・技能を持ち、利用者に喜ばれ、社会に貢献したと思うシルバーの方々は多数いらっしゃいます。
〇実際、シルバー会員による仕事は、臨時の仕事、早朝の仕事、若年層や主婦ができない仕事等、多くの利用者から喜ばれていると聴きます。
〇さらに、シルバー会員は就業することにより、生活リズムを維持し、健康増進・介護予防にもなり、金銭的にも余裕ができ、社会参加・社会貢献を行っている実感が得られ、生きがいを感じる事ができると伺っています。
〇また、シルバー会員が元気に働く姿は大田区を元気にしています。
〇シルバー人材センターのシステムは利用者に喜ばれ、シルバー会員に喜ばれ社会に喜ばれ、「三方よし」で公益性が高く、人生100年時代の社会をつくるうえで不可欠な仕組みだと思います。シルバー人材センター会員の方々から出ている多くの改善点等に耳を傾けて取り組んで頂く事を強く要望し、質問を終わりにしたいと思います。
以上です。