★★雅紀★★



俺は葵のもとへ走り寄った。




「どうしたの!?」



理由は分かっていた。



でも俺にはこう聞くしか
出来なかった。



涙で何もいえない葵を

俺は近くのベンチに座らせた。






「葵、悲しくて泣いてるの?」




(コクン) うなずいた。




「葵は悲しいんだ~。
でも俺は悲しくないよ。」



強がりだった。


でもたぶん、
葵の悲しいと俺の悲しいは
ちょっと違うと思ったから。


俺は葵が気づいていない
それを言うことにした。


★★雅紀★★




「あのペンギン、
めっちゃかわいくない!?」



葵との動物園は、
本当に楽しかった。



でも、ぱっと葵を見ると、
寂しそうな顔をしている。



精一杯笑いをとると、
葵は笑ってくれる。


でもその笑顔は偽物だ。


俺だって心の片隅には
これが最後なんだな~って
寂しい気持ちになるけど


最後だからこそ、
いっぱい笑って楽しみたかった。



閉園30分前、


きれいな夕焼け空だった。




「きれいな夕焼けだね!」


そう言おうとして振り返ると


葵の目からは涙が溢れていた。


☆☆葵☆☆




「見てみて!あのパンダ!
かわいい~(>_<)」



雅紀との動物園は、
本当に楽しかった。



動物みるのも、
雅紀と一緒にいるのも…。



でも、心の片隅には
これが最後なんだな~って、


そう思うと悲しくて、
本当に泣きそうになる。



雅紀の笑顔に、
必死に涙をこらえて
笑顔でかえす。



でもやっぱり辛くて…。



閉園30分前、


きれいな夕焼けで眩しい雅紀に



私の目からは涙が流れた。


★★雅紀★★



それからは、2人で順番に
2人の思い出を語った。



初めて話す、俺の気持ち。


初めて知った、葵の気持ち。



やっぱり離れるのは寂しかった。







「じゃぁ、動物園いく?」



最後のデートは動物園と
決めていた。



俺も葵も大好きな動物園。


☆☆★★



12時まで勉強した。




「俺、葵のこと、
高一のときから好きだった。
だから、一緒のクラスになれて
本気で嬉しかった。」




「私も。私も高一の頃から
雅紀のこと、好きだった。」




「一緒のクラスになれて
席も前後になれて、
まじ嬉しかった。」




「私も。最初、緊張してたけど
雅紀が話しかけてくれて
嬉しかった。」




「中間テストの勉強、
一緒にしたとき、
あんまり距離近いから、
緊張して心臓ヤバかった。」




「私も。心臓のドキドキ、
バレてないか、心配だった。」