トヨタ・ハイエースの圧倒的な優位に挑戦すべく、2012年6月、日産・キャラバンは5代目E26型にモデルチェンジし、車名も「NV350キャラバン」に改められました。
タクシーの世界では、ハイエースやキャラバンは「ジャンボタクシー」として使われてきましたが、京都ではこのNV350キャラバンのタクシーも登場しています。
NV350キャラバン ゆうゆう京都観光タクシー 2013年8月撮影
運転手を含めて10人乗りの、スーパーロングボディ・ハイルーフ車です。
200系ハイエースのワゴンはワイドボディ(全幅1880mm)ですが、NV350キャラバンでは標準幅(1695mm)なので、道路が狭い京都では有利のはず。
一方、その車体幅のせいでネックとなるのが通路幅。
グレード等を調べる中で初めて知ったのですが、旅客運送事業用自動車の保安基準では「有効幅300mm以上、有効高さ1600mm以上」の通路が必要とされています。
NV350キャラバンのワゴンの座席配置は、前方から2・2・3・3人掛けですが、最後尾の4列目に乗降する際の通路幅がこの基準を満たさず、そのままではタクシーとして登録できません。
その対策として、3列目の一番左側の座席を補助席とし、乗降時は折り畳むことで、通路幅を確保。旅客運送事業用自動車に適合した「送迎車」が、特装車として設定されています。
この車はその「送迎車」で、上級グレードのGXです。エンジンは直4、2.5LのQR25DE。
※「ゆうゆう京都観光タクシー」とは、個人タクシー6事業者が構成するグループ。このNV350キャラバンについては、YouTubeに紹介動画が投稿されており、折り畳み式の補助席などが確認できます(8月23日閲覧)。