患者さんの中に、インプラントの治療を行ってから、人が変わったように、定期健診やブラッシングに熱心になる方がよくいらっしゃいます。
その患者さん達は口をそろえて、みなさんこう言います。
「 歯がなくなってから、本当に歯のありがたみがわかったよ。これからはちゃんと歯を大事にしていこうと思うよ。」
みなさん歯を失って、高額なインプラント治療をして、初めて歯の大切さに気づいたようです。
そのように自分自身で歯の大切さに気づいた方は、本当に一生懸命ブラッシングを頑張り、検診に来ています。
こちらからお勧めしなくても、本当に頻繁にクリーニングの予約をしてくれます。
全国を飛び回っているような、とてもお仕事が忙しそうな方でも、時間を見つけてクリーニングをしに来ています。
どんなに忙しくて疲れていても、毎日ブラッシングをする時間をとり、クリーニングをしに歯科医院へ行きます。
なぜ彼らはそこまで、歯に対して一生懸命になれるでしょうか?
それは最初にもお話しした通り、彼らは自分自身で気づいたからです。
身をもって歯の大切さに気づいたからです。
彼らの中で、歯に対する価値観が上がり、優先順位が上がったからです。
どんなに忙しくても歯に対して、時間やお金をかける価値があると気づいたからです。
他の物事よりも歯科を優先する方が、自分の為になると気づいたからです。
自分自身で気づいた方の意思はとても堅いです。
誰かから言われてやっているのではなく、自分で必要だと思いやっているので、全然苦にもならないのです。
でも本当でしたら、歯を失う前に気づく方が断然いいはずです。
歯を失う前に自分自身で歯の重要性に気づき、歯に対する価値観や優先順位を変えることができれば、もうこれ以上虫歯や歯周病で悩む事もなくなりますよね。
しかし実際は痛くなってから歯科医院へ行くと、いう方がほとんどなのが現実です。
日本人の8割が、お口の中に気になる所があるが、歯科医院へは行ってないと答えているとも言われています。
歯科医院側がブラッシング指導をしても、生活習慣の指導をしても、本人が本当に重要だと思わないない限りは、あまり効果はありません。
いくら虫歯治療をしても歯周病治療をしてもその場限りで、また月日が経てば虫歯や歯周病になるのです。
本当に患者さん自身が心底気づかない限り、一生このサイクルから抜け出すことが出来ないのです。
ですので歯科医院は患者さん自身が、歯の重要性に気づくよう協力していく必要があります。
教えるのではなく、協力するのです。
いくら教えてもらっても、本人が本当に重要と思わない限りは、その人の心の中には残らないのです。
患者さんが受身ではなく、患者さん自身が自発的に治療・予防するように、歯科医院側が協力するのです。
やらされているではなく、自分で決めてやっているという事が重要なのです。
ですから教えるのではなく、歯科では協力するという形がしっくりくると思うのです。
患者さんが自分自身で気づくように、歯科医院側が手助けしていくという形が理想ではないかと思います。
この患者さんと歯科医院側の関係は、クライアントとコーチの関係によく似ています。
コーチはクライアント自身の中にある答えを引き出す為に、協力し手助けをしていきます。
教えるのではなく、コミュニケーションを通して、クライアント自身が自分の中にある答えに気づくように、手助けをするのです。
歯科でも同じだと思うのです。
歯科医院側はコミュニケーションを通して、患者さんの中にある答えに気づいてもらうように、促していく必要があると思います。
患者さん自身が答えに気づくまでに、どのくらい時間がかかるかは、人それぞれだと思います。
数日でわかってくれる人もいれば、5年かかる人もいるかもしれません。
でも歯科医院側がいつか気づいてくれると患者さんのことを信じれば、患者さんだってきっとわかってくれるでしょう。
お互い人間ですからね。
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