途上国では、外国人に対して自国民より高い二重価格を設定しているケースがよくあります。

 

仕方なく支払いますが、決して気持ちの良いものではなく、人権や平等の意識が低い国民なんだろうと思ってしまいます。


入場料の二重価格:Bangkok Post

 

観光立国の推進のため、日本政府が2013年にASEAN諸国に対する査証発給要件の緩和などの政策を取り始めて以来、訪日外国人旅行者数は増加して2018年には年間3,000万人に達しました。

 

今年は円安の影響もあり3月には月間300万人を超え、各地でオーバーツーリズムの問題が議論されています。


観光庁資料より

 

そこで、オーバーツーリズム対策と称して入山料や入場料などに外国人旅行者に対する二重価格を導入することが検討されているのです。

 

環境対策費用等は日本人観光客も含めて平等に負担し、必要に応じて入山・入場規制するのが本来の対策で、なぜ二重価格を設定して遠来の客を差別する発想になるのでしょうか?

 

富士山:日テレNEWS

 

飲食店でも外国人旅行者に二重価格を設定したり、地域住民が払えないような高い値段の料理を提供する例が話題になっています。

 

日本はいつのまにか途上国になってしまったようです。
 

TBS NEWSより

 

昨年5月に妻の13回忌法要のため一時帰国し、東京に1週間滞在しました。

 

東京には40年近く住み、思い出のある街でしたが、どこへ行っても混雑しているだけのつまらない街になっていました。

 

街中が土産物屋と外国人旅行者向けのレストランや施設という安っぽい観光地になっていたのです。


銀座:東洋経済オンライン

 

さらに驚いたのは宿泊料金です。

 

日程が直前に決まったので、全ての手配をフィリピンの旅行会社に頼んだところ、ホテルは15平米にも満たない部屋と小さな食堂があるだけで、宿泊料金(2人)は1泊1万ペソ(当時2万5千円)を超えていました。


キーワードノートより

 

観光立国の旗のもと、関連業界がこぞって外国人旅行者に如何にしてお金を使わせるかということに血道を上げているのです。

 

より多くの外国人旅行者が訪れているであろうロンドン、パリ、ニューヨークなどの佇まいとインバウンド景気に浮かれている日本の都市をつい比較してしまいます。