これは私が住んでいるジェネラル・サントスの4月中旬の天気予報です。

 

雨も予報されてはいるのですが、過去1か月以上も降っておらず、結果として最高気温36−37度、最低気温24−25度の日が続いています。

 

ジェネラル・サントスの4月中旬の天気予報

 

家の周囲の草は枯れて茶色に変色し、いつも放牧されている牛は食む草がなくなったので、牛舎に繋がれて痩せ細っています。

 

我が家の農園も、竹、アボカド、パパイヤなど根を広く深く張らない木は枯れ始めました。


 

 

 

ジェネラル・サントスでは3−4月は乾季の終わりの最も気温の高い時期でSummerと呼ばれ、暑くて当たり前ではあるのですが、暑さも雨量の少なさも異常です。

 

過去30年の平均では4月の最高気温は31度、最低気温は23度、雨量は205mmなのです。

 

極端に気温が上昇せず、乾季も雨季の半分程度の雨量があることが、農業王国ミンダナオを支えてきました。

 

ジェネラル・サントスの気候(Climate Data)

 

フィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)の3月31日現在の評価によると、31地域が干ばつ、13地域が渇水、15地域が乾燥状態にあります。

 

驚くことに、ジェネラル・サントスがあるミンダナオ島の中南部は影響なしの評価です。

 

乾燥状態・渇水・干ばつの評価(PAGASA)

 

フィリピンで気候変動や地球温暖化の影響を特に感じるようになったのは、昨年あたりからです。

 

昨年の4月は東南アジア、南アジアの多くの国が史上稀な猛暑に見舞われ、暑さによる死者の集団発生も報じられました。

 

4月下旬までにアジア十数ヶ国の観測地点数百カ所で、最高気温の記録が破られ、熱波は5月末まで続きました。


 

2023年の熱波:ウエザーニュース
 

今年のフィリピンの猛暑と異常乾燥は地球温暖化だけでなく、昨年6月に始まったエルニーニョ現象との相乗効果であると説明されています。

 

エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象で、東南アジアに高温と乾燥をもたらすだけでなく、世界の平均気温を上昇させ、各地に異常気象をもたらします。

 

太平洋赤道域の海面水温(2023年1月30日ー2月5日)(NOAA)


 

太平洋赤道域の海面水温(5月29日ー6月4日)(NOAA)

 

唯一の救いは、4−6月には中立状態に移行し、6−8月にはエルニーニョの反対現象であるラニーニャが定着すると予測されていることですが、ラニーニャは豪雨の発生や台風の上陸数を増加させるのが通例です。

 

2ー7年ごとに繰り返されるエルニーニョとラニーニャが気候変動と地球温暖化との相乗効果で、異常気象を増幅させ、それが常態化することが懸念されています。


エルニーニョとラニーニャ現象:気象庁

 

午前中からジリジリするような暑さで、高齢の私は目眩に悩まされています。

 

マニラに住んだ8年間でフィリピンの暑さには慣れたと思っていたので、移住を決めた時には考えてもみなかったことです。