排尿困難症状を自覚するようになったのはマニラで働いていた2009年(67歳)で、Asian Hospital and Medical Centerで前立腺肥大と診断され、膀胱と尿道の緊張を和らげる薬剤の服用を始めました。
以来15年間、この鬱陶しい症状と付き合い、現在に至っています。
Asian Hospital and Medical Center:ホームページより
妻が亡くなり、終の住処を求めてフィリピンのDumagueteに移住したのは2016年10月(74歳)です。
同市のSilliman University Medical Centerの泌尿器科の医師の診察を受けると、10年間は効果が持続するという前立腺肥大の手術(TURP)を勧められました。
処方されたのは前立腺を縮小させると同時に膀胱と尿道の緊張を和らげる薬剤で、1ヶ月分2,070ペソ(4,800円)です。
現状を維持するだけの薬剤費用4年分あまりで手術費用が払えます。
Silliman University Medical Center
2017年2月に排尿困難症状と最初の対決をするときがやってきました。
Silliman University Medical Center泌尿器科の担当医の執刀のもとTURPを受けたのです。
採取されたサンプルによる診断は、慢性前立腺炎を伴う結節性前立腺過形成でした。
長年の鬱陶しさから解放されると期待に胸を膨らませていたところ、症状は改善せず、最初の対決は空振り三振の完敗です。
手術費用の11万2千ペソ(25万6千円)は季節風とともに消えてしまいました。
後になって知ったことですが、TURPは医師の経験・技量の影響を受けやすく、かなりの失敗例が報告されていると言います。
Silliman Univercity Medical Centerの病室
2017年11月にパートナーのLaiと同棲するためGeneral Santosへ転居しました。
手術後は薬剤の服用を止めていたところ、2019年1月にSt. Elizabeth Hospitalで前立腺が肥大(41g)し、内腺の膀胱内拡張があると診断され、前立腺を縮小させ膀胱と尿道の緊張を和らげる薬剤の服用を再開しました。
9ヶ月後には前立腺は正常のサイズ(18g)に縮小したのですが、特に目立った症状の改善はありませんでした。
2023年の半ばごろから症状が一段と悪化し、早急に原因を特定してそれに即した治療を行う必要が生じていました。
2024年2月7日、Laiの父親が排尿困難症状で診察を受けている医師に予約を入れ、Dadiangas Medical Centerを訪れました。
用意した症状と治療の記録を見せ、問診が終わると、医師は前立腺を触診し、結節があるとの診断です。
PSA(前立腺ガン)と尿の検査を指示されました。
Dadiangas Medical Center
2月16日に検査結果を携えて2回目の診察を受けました。
PSA値は正常の範囲内で、尿に低レベルの潜血反応が現れています。
膀胱鏡検査と前立腺から生検用サンプルを採取する方針が決定されました。
腎機能検査、胸部レントゲン、心電図の結果はいずれも正常で、2月19日に内科医のクリアランスを取得。
膀胱鏡検査が行われたのはSt. Elizabeth Hospital内にあるUrology Centerです。
2月21日午前9時45分に静脈麻酔による約30分の検査が開始され、手術台で目覚めたのは1時間くらい後でしょうか。
検査の結果、前立腺肥大手術時の傷の瘢痕化による尿道狭窄症と診断され、前立腺の生検は異常ありませんでした。
かくして、排尿困難症状と二度目の対決をするときがやってきました。
尿道を狭めている隆起部分を切除する内尿道切開術で、再発率の高い手術です。
初診から膀胱鏡検査までの費用は次の通り4万3千ペソ(11万6千円)でした。