フィリピンでは多くの果樹、花木は乾季の低温と乾燥による刺激で乾季の終わりの最も気温の高いSummerと呼ばれる3−5月に開花します。
2020年7月にパートナーのLaiがTabebuiaのピンク3本、黄色2本の苗木を東側の塀沿いに交互に植えて「我が家で花見」プロジェクトを開始したときには、日本と同じ時期に花見ができるのだと思い込んでいました。
樹高が3mになった1年後に、右端はTabebuiaではないことに気づきました。
Tabebuiaの葉は5枚1セットの掌状ですが右端の木は小枝に葉が並んで付いています。
葉や木の形状だけでは種類までは分からないので、開花を待つほかはありません。
その答えが分かったのは2023年3月です。
3年目で樹高が7mに達したものもあり、開花が期待されるので注意深く観察していると、右端の1本だけ落葉し始めました。
そして、3月下旬のある朝、Laiが落葉し始めた木が黄色の花房を付けているのを見つけたのです。
花と房の形状を頼りに図鑑で調べると、インド亜大陸原産のGolden Shower Treeでした。
少しづつ花房の数を増やし、4月中旬には樹冠のほぼ半分を覆うほどになりました。
午後には強い海風が吹くので、満開の花房からは花びらが散り始めています。
4月20日を過ぎると咲く花よりも散る方が多くなって、5月になると全ての花が散ってしまいました。
8月になると、左端と3番目の木が落葉を始めました。
左端の木のひと枝にピンクの花が咲いているのを見つけたのは9月中旬です。
花は数枝に咲いただけで、10月上旬には散ってしまいました。
最近は、雨季にも拘らず10日も晴天の日が続いたりするので、異常気象のせいだろうと思ったのですが、念のために資料を読んでいると意外な事実が分かりました。
Tabebuiaは主として乾季の1−2月に開花し、4−5月と8−9月にも咲くことがあるというのです。
12月上旬に3番目の木が白い花を2輪だけ付けているのに気づきました。
花は翌日には散ったので、確かめるとピンクではなく白です。
葉が青々と茂っているときに開花したのは、不順な天候に反応したのでしょう。
驚いたのは12月中旬にGolden Showerが再び黄色い花房を付けているのを見たときです。
資料を読み漁っていると、「開花期には8−10ヶ月ごとに葉を落とす(開花する)」と書かれたものがあり、我が家のケースもこれに該当します。
1月下旬に花房は樹冠の半分程を覆い、蕾の房が多いのでこの状態が暫く続くと期待していました。
ところが、1月末から断続的にミンダナオ島南部を低気圧が通過したのです。
1週間続いた豪雨と強風で花も蕾ももぎ取られてしまいました。
花に嵐、乾季のど真ん中で豪雨が1週間も続くなどありえないことですが、気候変動のなせるわざでしょう。
日本の桜は開花から満開まで、満開から散るまで各1週間ですが、Golden Showerはそれぞれ4週間、2週間程度でした。
5本の木が4月に一斉に満開になることはなさそうですが、年間を通じて花を眺めることができるのは、また違った贅沢かもしれません。
2024年の我が家の花暦は次のように予想されます。
1ー2月:Golden Shower(黄)(2度目の開花中)
4ー5月:Tabebuia(黄)(樹高が最も高く初開花する可能性がある。)
8ー9月:Tabebuia(ピンク)(本格的に開花すると予想される。)
Tabebuia(白)(昨年この時期に落葉したので、開花する可能性が高い。)
9ー10月:Golden Shower(黄)(3度目の開花が予想される。)