家に幸運を招くというジャックフルーツが門の脇に植えられています。
パートナーLaiの父親が2019年11月末に数十センチの苗を植えたもので、1年後には2m、2年後には4mと順調に育ち、3年後には6mに達して見事な樹冠を形成しました。
そして、12月上旬に樹冠に隠れて多くの果実がなっているのをLaiが見つけたのです。
大きいものは長径20cm、短径10cmあります。
果実は丸々と成長し、2023年2月上旬には長径30cm、短径15cmになりました。
毎朝Laiを見送った後にチェックするのを楽しみにしていたのですが、次のような成熟のサインは一向に現れません。
1、表皮が黄色味を帯びてくる
2、香りが漂ってくる
3、果実を叩くと空洞のような音がする
2022年12月上旬
2023年2月上旬
異変に気づいたのは3月中旬です。
成長した果実の表皮がやや茶色っぽくなり、黒くなった部分が見えています。
捥いでチェックすると、長径40cm、短径20cmまで成長した果実が無残な状態になっていました。
腐ったのではなく、アリの被害です。
被害を受けた果実を撤去しても、日中はアリの大軍が近くにある巣から押し寄せてきます。
4月上旬に、果実に袋をかけて植物用殺虫剤を幹に何度か散布しましたが、、アリは噴霧面を平気で超えて行くので、継続的な効果はありません。
7月と8月にも傷ついた果実を撤去せざるを得ませんでした。
果樹のアリ防御に関する情報を探しあぐねていたところ、9月上旬にある園芸家が投稿したYoutube動画に行き当たりました。
荷造り用テープの粘着面を上にして幹に巻き付けるだけだと言うのです。
荷造り用テープを幹に巻きつけて早朝に観察していると、勇敢にヨタヨタとテープを超えて行くアリがたまにいますが、大半のアリはテープをバリアーだと認識するようで、引き返しています。
バリアーを突破したアリを午後に確認すると100匹程度に激減していました。
さらに、攻撃対象が果実ではなく幹と枝の付け根から出る樹液になっています。
試しに色付きのテープに変えると効果は半減です。
透明テープの二段バリアーにすると、突破するアリは50匹程度に減りました。
さらに、塀に接する小枝を伝ってくるアリを防ぐため、剪定して小枝を取り除くと、侵入アリは10匹程度になり、アリ防御対策の完了です。
剪定のついでに、一枝の果実数が3以下になるよう摘果しました。
11月上旬には、果実の大きなものは長径30cm、短径15cm程度になり、全ての果実が健康な薄緑色です。
ところが、12月上旬になっても果実が殆ど大きくなっていません。
無肥料栽培なので、果実の数が多すぎて成長が阻害されているようです。
Laiの父親に尋ねると、「土が肥えていないので正常に育てるには施肥が必要」というアドバイスでした。
11月上旬
しかし、せっかく自然の恵みだけで育ててきたので、小さくても時期が来れば成熟しないだろうかと見守っていたところ、果実が落下し始めました。
そのうち大きめのものを切ってみると、中は白く未成熟です。
暮れも押し迫ったある日、最も大きくなっていた2個のうちの1個が落下していました。
長径35cm、短径18cmで、重さは約3kgと小ぶりですが、果皮が黄色く変わり始めているので、熟れている可能性があります。
Laiが果肉を取り出しやすいように4つに切り分けると、予想通り果肉が黄色く熟していました。
負担に耐えかねた樹体が自ら落下させた未熟児がジャック・フルーツの初収穫になるとは思いもかけなかったことです。
約20個の果肉を取り出し、弾力と粘り気のある独特の食感と芳醇なほどよい甘さを味わいました。
施肥すべきか否か?
正常に育てれば、ジャックフルーツは5−10kgの果実を毎年200個以上、30−60年にわたって実らせるといいます。