農園主任のRodyがいなくなって裏庭菜園の維持が困難になり、パートナーのLaiは手間のかからない果樹を中心に栽培しています。
ココヤシ、マンゴー、アボカド、マラン(Marang)、パイナップルは順調に育っているのですが、パパイヤだけは正常に生育するのは5株に1−2株で、育った株も収穫し始めると数ヶ月で枯れてしまいます。
裏庭は粘土質で水捌けが悪く、パパイヤの栽培には適さないというのがLaiの父親の診断です。
2020年2月に、Rodyが我が家で食べたSolo種の種を菜園の周辺に植えたのが、パパイヤの初代です。
5株のうち2株は順調に生育して8月に開花・結実を始めました。
そして、11月に初収穫の感動を味わいました。
舌触りが良く、しとやかでふくよかな甘みです。
しかし、2021年2月には果実を付けたまま2株とも枯死してしまったのです。
2代目は2020年7月にLaiが植えた同じSolo種です。
数株を栽培したのですが、順調に生育したのは塀際の1株だけでした。
その1株も、樹高は伸びて鈴なりに果実は付いているのに、殆どの果実が小さなままです。
2021年6月に初収穫しましたが、味はあまり良くありません。
2022年3月まで収穫してその後は放置し、小鳥の餌にしました。
樹高が伸びて梯子が届かなくなったのです。
菜園には落下したパパイヤの種が絶え間なく発芽していますが、殆どは正常に生育しないので、パパイヤのことは諦めかけていました。
カーポートの傍に1株の健康優良児が育っているのに気づいたのは7月です。
果実の形状と大きさから判断してSolo種ではありません。
Laiに尋ねると、放置した生ゴミの袋に中にあった種が発芽したのだと言います。
果実はぐんぐんと大きくなって9月に初収穫し、形状、重さ、果肉の色からSinta種と判明しました。
果肉の程よい硬さと、新鮮な甘みが特徴です。
そして、立派に育った3代目を見て安心したかのように、翌朝に2代目は幹の途中から折れていました。
バイタリティー溢れる3代目は表層土を除去していない場所に生育しているので、水溜りができるようなこともなく、3年余りは最高のパパイヤを実らせてくれるだろうと期待していました。
ところが、今年の5月に雨季に入ってから葉が枯れるようになり、樹冠が少しづつ小さくなったのです。
6月中旬を過ぎると果実の味が薄くなり、月末のある日に根こそぎ倒れていました。
今度こそパパイヤはお終いかと思っていたところ、自生したSolo種の中に、樹冠が大きくしっかりと果実を実らせた1株がありました。
収穫して味を確かめると、Solo種のふくよかな甘みがしています。
本家3代目の襲名です。
パパイヤの収穫期間は通常3年半です。
我が家のパパイヤは栽培不適地でも世代を継なぎ、朝食には欠かせない新鮮な果実を届けてくれます。
頼もしいことに、自生した数株が4代目の候補として育っています。