船員として訪れた東南アジアの多くの都市ではモーターバイクが活躍していましたが、初めてフィリピンに住んだ1989−1993年当時、モーターバイクを見かけることはありませんでした。
「炎天下では暑いし、雨が降ればびしょ濡れで、あんなものには乗れない」というのが大方のフィリピン人の意見でした。
夫婦のどちらかが管理職に昇進して中古の自動車を買い、ジープニー通勤から逃れるのが彼らの夢だった時代です。
Photo by Marfil Graganza
二度目に住んだ2005−2009年も状況は同じだったので、2016年にドゥマゲテに移住したときには目を疑いました。
モーターバイクは通勤用だけでなく、家族の移動手段としても使われていました。
フィリピンの人たちがモーターバイクに乗り始めたきっかけは何だったのでしょう?
1、渋滞のジープニー通勤に耐えられなくなった。
2、家族の移動手段として使えることに気付いた。
3、走っていれば炎天下でも涼しく、雨具さえあれば雨も凌げることが分かった。
4、ローンでの購入が可能になった。
Photo by Mark Panszky
Photo from Rusi Motorcycle
モーターバイクに続いて、自転車がゆっくりと流行り始めています。
若者のスポーツ志向や健康志向から、サイクリングやロード・レースが盛んになり、若者から子供達へと裾野が広がっているようです。
Photo by Alexander Laguadia
Photo by David Jason Garcia
ジェンサンでも郊外を運転していると、サイクリング中の若者に頻繁に出会います。
揃いのユニフォームを着ているグループもいます。
Photos by Andy Nelson
近所の子供達が自転車に乗って遊んだり、お使いに行くのを日常的にみるようになりました。
いずれもフィリピンでは初めて目にする光景です。
Photo by austin-nicomedez
自転車の普及に一役も二役も買っているのは、日本の中古品を扱うジャパン・サープラス・ショップです。
全てのタイプが揃っており、値段も手頃です。
さらに、これは世界的な傾向ですが、コロナウイルス・パンデミックで自転車の利用価値が見直されています。
フィリピンでは、都市部にレンタル・サイクル・ショップが出現しました。
ジェンサンではサイクリング用の自転車を、50ペソ(8時間)で借りることができます。
Photo from iRent
終戦後、大人用の中古自転車を買ってもらい、何日か練習して乗れるようになったときの感動を未だに覚えています。
乗り物を操縦したいというのは子供に共通する欲求です。
フィリピンの子供達はその欲求を容易に満たすことができるようになりました。
Photo by Ron & Queta
フィリピンで自転車は普及するのか?
その答えは子供達が握っているようです。