2021年2月28日(日)午後4時10分にマニラ郊外のVillamor空軍基地に中国空軍の輸送機が着陸し、同政府から無償供与されたSinovacワクチン60万回分が到着しました。
これがフィリピン政府が入手した最初のコロナウイルス・ワクチンです。
Photo from PNA
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翌3月1日にマニラ首都圏の病院で医療従事者へのワクチン接種が始まり、順次地方に展開されました。
看護師をしているパートナーのLaiも3月中にワクチン接種を終え、1年間続いたストレスから50%程度は解放されたように見えます。
その後、WHOなどの国際機関が途上国へワクチンを無償供与する目的で設立したCOVAXからの配布も始まり、7月29日現在の累計ワクチン接種人数は17,515千人です。
第一優先順位の医療従事者60万人と出国する海外雇用労働者に続き、地方自治体の首長、シニア・シティズン940万人への接種が大都市圏から進んでいます。
Photo by King Rodriguez
優先順位Aグループ
6月末に市の専用ウェブサイトでワクチン接種の登録をしたところ、7月23日に予約案内のメールが送られてきました。
会場は政府の出先機関などがあり、混雑度が低いRobinsons Mallです。
初日の最初の時間枠、7月26日((月))0900−1100時に予約を入れました。
接種されるワクチンはSputnik Vと記載されています。
スプートニク5号というのは、1960年8月19日にソ連によって打ち上げられた有人宇宙船の試験機の名称で、動物を軌道上に打ち上げ、地球への生還に初めて成功しました。
ロシア保健省のThe Gamaleya Research Instituteが世界に先駆け、国家の威信をかけて開発したワクチンで、途上国を中心に現在67カ国で使用されています。
しかし、ブラジル政府が有効性に疑問があるとして使用を中断したり、安全性と91.6%の有効率が確認されたとする論文そのものに疑義を呈する研究者もおり、その評価は定まっていません。
宇宙船スプートニク5号 Photo by Pretenderrs
Photo by Olga Maltseva
勿論、フィリピンのFDA(食品医薬品局)が緊急使用許可した7種のワクチンには含まれていますが、WHOは未だに緊急使用許可を出していません。
念のためDOH(保健省)のウェブサイトで確認したところ、重篤な副反応の報告はありませんでした。
Laiは「延期する?」と言ったのですが、これがフィリピンの置かれた状況だと納得し、予約通り接種することにしました。
遅めの朝食を済ませて、9時30分に会場に到着すると、何やら混乱の気配です。
準備が遅れたようで、受付の前に200以上の人たちが待機しています。
予約確認証と身分証明書を提示して受付手続きを済ませた後、2時間待たされて、個人情報プリント、インフォームド・コンセント・フォーム、問診票書式を受け取りました。
そのあとはショッピング・モールの正面ウイングを出口の方向に進みながら、手順を踏んで接種を受けます。
まずは、医師による健康状態の問診です。
そして、メイン・イベントのワクチン接種です。
同日は優先順位A4(重要セクターの最前線労働者)、B5(海外雇用労働者)の人たちも接種を受けていました。
ちくりとしただけで、今までに何度も経験した予防接種と変わりません。
次のテーブルでは接種終了情報を入力します。
最後にバイタル・サインの測定でした。
時計を見ると午後1時30分、4時間を要したことになります。
3−6週間後の2回目までには、所要時間も短縮されるでしょう。
帰宅してベッドに横たわっていると、無性に眠くなり、2時間も寝てしまいました。
LaiもSinovacを接種して眠気を催したというので、副反応のようです。
フィリピン政府は今年中に7千万人に接種して集団免疫を達成する計画で、ワクチンは次の通り手配されています。
確実に引き渡しを受け、計画通りに接種する難事業を成し遂げて欲しいものです。