耳を澄ますと、よく「ヒュー」という音が聞こえます。
家の周囲に遮るものが何もないので、昼間は海風が、夜は陸風が吹き抜けていくのです。
家が完成する前から、二階のベランダで朝のコーヒーを飲むのを楽しみにしていました。
空地に放牧された牛が起きだして草をはみ、北北西の方向には標高2,300mのMt. Matutumがそびえています。
ミンダナオ島で朝のコーヒーを飲んでいる。
放浪癖の高齢者に、神様は粋な計らいをしてくださるものです。
本を読みながらふと外に目をやると、ベランダにスズメがいたり、遠くに見知らぬ白い鳥が飛来していることもあります。
夕方、散歩に出かけると、空地は子供たちの遊び場です。
駆けたり、牛の背にまたがったり、COVID-19で学校が閉鎖されても負けてはいません。
南側の家では、多くの家禽類を飼っていて、大型の鳥は何かと尋ねると、白鳥という返事が返ってきました。
Swan gooseと呼ばれるようで、ガチョウの一種なのでしょう。
東側は12.5ヘクタールのマンゴー農園で、売りに出ています。
多分、宅地並みの価格で1ヘクタール15百万ペソくらい。
ジェンサンでは小さな果樹園の夢は果たせそうにありません。
教会には以前60過ぎの姉弟が住んでいましたが、今は三世代家族が住んでいます。
小さなBahay kuboは祖父母用で、敷地内の作物は祖父が作っていると大学生の孫娘が教えてくれました。
北側にもBahay kuboの離れがある家があり、三世代家族が住んでいます。
元陸軍兵士の高齢男性はよく昼間から酒を飲んでいて、ご機嫌で話しかけてきます。
井戸が無いので、近くの家で貰い水だそうです。
西側はCanas Villageという住宅地で、教会、バスケットボール・コート、数軒のサリサリ・ストアがあります。
Laiは好物を食べるとき、コークを飲みたくなるらしく、時々、農園主任のRodyをサリサリ・ストアへ走らせています。
折しも、South Cotabato州ではコミュニティー隔離と住民の自宅隔離措置がとられました。
風の音を聴きながら過ごす時間が増えそうです。