「おぉ~い、ミ・カ・エ・ルぅ~♪(笑)」
足早に歩く後方から、能天気な声が聞こえてきた。誰だかわかったが、気分も機嫌も悪い為、無視して歩く。
「えっ!?…ミカエル!?(汗)…なんで無視するんさぁ~!」
そう驚いた奴は、駆け足で追いかけてくる。まこうとは思っていなかった為、簡単に追いつかれた。そして、進行方向を塞がれる。それに対し、
「んだよ!?(怒)」
っと言って、女の子として、あるまじき睨みをきかせる。大抵の人間は、これだけで怯み、有無を言わなくなった。しかし、目の前の赤毛野郎は、馴れてしまったのか、苦笑いを浮かべる。今日は私服で、任務中につけている龍のうろこ柄のターバンはしていない。なので、髪がおりている…この方がかっこいいと思うのは、僕だけなのか…?
「何、そんな怒ってるんさぁ?…コムイがまた、何かしたんかぁ…?(苦笑)」
右目を眼帯で隠すコイツはラビ。エクソシストでありながらブックマンの後継者だ。1年前からの友である。僕が、黒の教団に来た時から、しょっちゅう医務室に顔を出しては、睨んでいた為、もう逃げるとか、物陰に隠れるとかしなくなった。任務量も多く、一緒の時間が多かった為、簡単に素が出る。
「フンッ!アイツ、また僕のイノセンスいじくりまわしやがったんだ!!…何が傷の具合を見る検査だからぁ~…だっ(怒)僕んじゃなくて、もうひとりの方を見りゃぁいいのに!どうせ、同じイノセンスだろっ!?(怒)」
「いや、俺に八つ当たりされても困るさぁ(汗)…それに、いじくりまわされてるのは、お前だけじゃないさぁ~…ガブリエルも、おんなじように怒ってたぜ」
仲が良くなったのは、僕だけではなかったらしく、もうひとりとも、よく一緒に居るらしい。彼も最近、イノセンスに傷をつけ、治療されていたそうだ。
そんな事より…
「はぁ!?…マジかよ!…なんで、そんなに調べたいんだ!?(汗)」
「そんな事、俺に聞かないで、コムイに聞いたらいいさぁ…きっと答えてくれるって…俺的には、お前らのイノセンスに共通点がないか、探してるんじゃないかと思うんさぁ…同じ形してっから(笑)」
俺も興味あるしっと言って、いたずらっぽく笑った。
「お前は、ブックマンとして興味があるんだろ?」
「えぇ!?…なんで、そんな事言うんさぁ!…俺は純粋にだなぁ…「あぁ~はいはい、わかった、わかったからもう、この話は終わり…僕が興味ない…」
わかってる…コイツが、ホントに僕の記憶の事を、気にしてるのを…そう、イノセンスと記憶が、関連していると、思っているのだ。
だけど…僕は…。
「そんな、興味ないなんて言うなよぉ~…なくした記憶が戻るかもしんないさぁ」
「僕は前にも言ったよな?…そんなもの興味ない、思い出したいとも思ってないと…ラビ、お前に、忘れたなんて言わせないぞ」
ギンっと、今まで以上に鋭く睨む。
ブックマンなのに、忘れたなんてありえない。
僕の意図を読み取ったラビは、観念したように呟いた。
「うぅ(汗)…んなに睨まなくたっていいだろぉ?…忘れたなんて言わないさぁ~(汗)」
「…わかればいい…もう、この話は終わりだ」
また、自室へと歩き出す。それに、ラビもついてくる。
話の話題は、ラビが行ってきた任務内容に、自然となっていた。
記憶が戻るといいとか言っときながら、深入りしないのが、彼なりの優しさなのだと思う。