今月はBS12の日曜アニメ劇場枠が「日曜ゴジラ劇場」に代わっており、
歴代ゴジラ映画セレクションを放送しています。
先々週は日米2大モンスターの激闘で歴代動員数トップを誇った「キングコング対ゴジラ」と、
昭和シリーズ最終作「メカゴジラの逆襲」の2本立て、
先週は平成シリーズの本格的な起爆剤となった「ゴジラVSビオランテ」、
昨日は「ゴジラ死す!」と大々的に打ち平成シリーズを締めくくった「ゴジラVSデストロイア」が放送され、
来週はミレニアムシリーズ第1弾となる「ゴジラ2000 ミレニアム」が放送されます。
6作とも一通り観ていますが、2000に関しては今も微妙な感想を抱いています(汗)。
「キングコング対ゴジラ」は前2作と比べて娯楽性に特化しつつも当時の日本の風景を描写し、
その一方でキングコングが人間のエゴの被害者という悲哀も描いていました。
とはいえ、最後は故郷の南方へと帰っていくキングコングの姿に安堵もするわけですが。
「メカゴジラの逆襲」は東宝チャンピオンまつりのプログラムという性質上、
第12作「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」からの系譜であるヒーローとしてのゴジラを描いています。
その一方、学会を追われた事で人類への憎悪と自身の学説の正しさに固執した博士という悲しき悪役の存在をも描き、
単純な子ども向けではない創りとなっている事が垣間見られます。
84年版から地続きとなる平成シリーズ「ゴジラVSビオランテ」は、
「動物と植物の融合」という科学と生命の領域に踏み込んでしまった愚行、
「本当の怪獣はゴジラでもビオランテでもなくそれを生み出した人間である」という危惧をも描き、
特撮パートとストーリーパートのみならず、音楽の部分でも魅了される1作です。
「ゴジラVSデストロイア」は、圧倒的な特撮パートの量がありながらもストーリーとの融合を成し遂げ、
「ゴジラの死=地球の滅亡」という危機に対し如何に人類が立ち向かっていくかをも描き、
緩急が少ない緊迫した物語を創り上げています。
また、デストロイアの出自から第1作の要素である人物や台詞回しがある点も注目点です。
そしてラスト・・・ゴジラの心臓部の温度が1200度に達し、メルトダウンが始まろうとする瞬間、
被害を最小限に留めるべく自衛隊の超低温レーザと冷凍弾による攻撃を受けながら、
臨海副都心を中心に異常な量の放射能を撒き散らしながら自らのエネルギーで融解し消滅したゴジラ。
それは科学を、核を弄んだ人類の償いなのかもしれない・・・そう思いながら締めくくられるはずでした・・・
その直後、高濃度である放射能のレベルが急激に下がっていき・・・煙の向こう側にはゴジラが・・・!
このゴジラは、瀕死だったゴジラジュニアが高濃度の放射能を吸収し、ゴジラとして蘇生・進化した姿だったのです。
そしてこのシーンは、「ゴジラの終わりと共に、ゴジラを襲名する新たな始まり」を描き、
「ゴジラはこれからも続く」というメッセージをも感じ取ったシーンでもありました。
その後も数々の作品が制作され、「シン・ゴジラ」や来月公開の「ゴジラー1.0」へと連なっていったのはご存じかと。
機会があれば、新旧ゴジラ作品を観ていただきたいと思っております。