1982年3月5日・・・この日、日本の特撮界に新たな歴史を刻んだ番組が放送されました。
そう、今日は特撮界における伝説のひとつである名作「宇宙刑事ギャバン」放送開始40周年の日です。
1982年当時の特撮は、すでに2大巨頭であるウルトラシリーズと仮面ライダーシリーズが休止しており、
スーパー戦隊シリーズのみ(この時は「太陽戦隊サンバルカン」が終盤を迎えていた)という状況下でした。
そんな中、従来のシリーズおよび石ノ森ワールドに頼らない新たなヒーローとして誕生したのが本作であり、
放送開始前は「凶と出たら2度と特撮の新ヒーローは生み出せない」とまで言われるほど、
制作サイドにとっても大きな勝負だったと言われています。
しかしこの賭けは、コンバットスーツ装着やトドメ演出などの外連味溢れる見所が大いに受けて吉となり、
世界観の連なる続編「宇宙刑事シャリバン」および「宇宙刑事シャイダー」を経て、
「メタルヒーローシリーズ」と呼ばれる新シリーズを構築するまでに至りました。
98年の「テツワン探偵ロボタック」でシリーズは終了しましたが、以降は平成仮面ライダーシリーズにバトンを渡し、
現在に至る特撮界の流れを託していきました。
シリーズは終了しても21世紀に入ってからは、仮面ライダーシリーズとスーパー戦隊シリーズとのクロスオーバー作品や
単独作品の劇場版が制作され、今も知名度は衰えていません。
宇宙刑事3部作の特徴のひとつが、今なお現役のレジェンド・渡辺宙明先生による劇伴であり、
中でもトドメ演出の楽曲が神がかった完成度を誇り、「処刑用BGM」、「勝利確定BGM」とも呼ばれています。
この旋律はアレンジによって様々な形を生み出しており、「光速電神アルベガス」の合体シーン、
「破邪大星ダンガイオー」のサイキック・斬、「神魂合体ゴーダンナー!!」の敵襲撃テーマにも用いられています。
余談ですが、YouTubeやニコニコが存在しない時代のネット界を盛り上げた「FLASH黄金時代」において、
このFLASHが変な意味で大人気を博し、こっちと間違えて歌ってしまう若い世代もいたほどです。
40周年という節目を迎え、リアタイ世代としてはまたも感無量の想いがあります。
機会があれば、当時のスタッフ・キャストの情熱と魂がこもった本作をご覧いただければと思います。