「皆さんごきげんよう、園田海未です」
「ハラショー!絢瀬絵里です。」
「突然ですが絵里、明日からの3日間は何があると思いますか?」
「年末だから大掃除や買い出しの類かしら?」
「確かにそうですが・・・年末と言えば一年の最後を締めくくる戦い、コミケです!!」
「コミケ!?何かしら?」
説明しよう!コミケとは、日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット」の事である!
「同人誌の即売会なのね・・・そういうのってエッチなのばかりじゃないの?」
「甘いですね絵里、同人誌すべてが破廉恥なものではありません。
作家が書きたいと思ったもの、それが一般向けでも立派な同人誌なのです!
むしろ一般向けなら私は大歓迎です!」
「深いわね・・・でも、コミケに行くのに準備は必要なのよね?」
「もちろんです。その辺についても簡単に解説いたします」
「まずは現金、実弾とも言いますが、これがなければどうにもなりません」
「100円硬貨と500円硬貨ばかりだけど・・・」
「それでいいのです。同人誌はコピー誌でも100円か200円くらい、
専門の印刷所で印刷してもらった本ならおおむね500円ですから」
「お札はダメなの?」
「構いません。ですが、1000円札以外の高額紙幣はグッズを扱う所でしか
意味を成しませんよ」
「つまり、会計をスムーズにしつつ、お釣りの負担をなくしてあげるわけね」
「さすがはかしこいかわいいエリーチカ、コミケは全員が”参加者”ですから、
こうしたことを守っていく心がけも必須です」
「高額紙幣しかない時は切符や買い物、チャージで細かくした方がいいのね」
「はい、ゲームセンターでの両替は良くないですが、スクフェスアーケードをプレイするなら、
両替で細かくした方がいいですね」
「海未、宣伝入ってるわよ・・・」
「これは地図みたいだけど・・・?」
「これは別名”宝の地図”です。カタログでチェックしたサークルの位置をマークして、
当日持参するのです」
「カタログ見せてもらったけど、重いものを持たなくて済むのはいいわね。
あとは失くさないように注意せよってことね」
「私たちのエリアは破廉恥なものメインだと東1のCブロック、全般だと東6のヨ~ロ、
といった所に配置されてます」
「可愛い後輩のAqoursが伸びてきてるし、賑やかになりそうね」
「冬は寒いから、カイロも必需品ね」
「ええ、開場待ちの間は冷えますから、寒さ対策は念入りに、です」
「ロシアほどじゃないにしても、万全の体制は怠らないでくださいね。
それと、スマホユーザーは予備バッテリー、音楽プレイヤー、カメラもあると便利です。
撮影の際はモデルの方に一言声掛けして、OKなら撮影してください」
「そして大事なことは・・・転売屋よりも先に目的のモノを手に入れること!
さあ絵里!30日の夜から現地で張り込んで、開場時間にアタックをかけましょう!
そう、ほのうみアタックです!!絵里はのぞえりアタックです!!」
「ダメよ海未!徹夜行為は認められないわ!防犯やモラルの問題があるでしょ!
それにいざという時に体調を崩したら元も子もないわ!」
「絵里、妙に詳しいですね。」
「カタログをしっかりと読んだのよ」
「海未は完全に殺気立っていますが、皆さんは注意事項をしっかり守って、
明日からの目的の日を楽しんでくださいね」
そして、「押さない、駆けない、夢見すぎない」の精神で!
「え?そこは”押さない、駆けない、夢を諦めない”じゃないんですか?」
えりち、現実は非常なのだよ。ダメだった時は「悲しいけどこれ現実なのよね」と
割り切るのも大事だから。
皆さん、最後の一番をしっかりと満喫してきてください 。
そして、必ず生きて帰る事、これは命令だ!!
ただし徹夜組と転売屋は来なくて、どうぞ。
それでも行く輩には、もれなく赤いあいつとタイの白い猿にお仕置きされるという、
素敵なプレゼントが進呈されます。