私が以前働いていた水道設備業についてこれから少しずつ書いていこうかと思います。
これから水道屋になる方やなって間もない方、土木や建築関係の話も多少混ざってきますので誰かの何かの参考になればと思います。
まず今回は「水道屋って何?」
土木や建築関係に全く縁もゆかりもない方にこの質問をすると殆どの方が同じ答え。
「水漏れ直す人」「トイレの詰まりを直す人」「蛇口が壊れたら呼ぶ人」
まぁだいたいこんな感じ。
全部正解です。
が、しかしそのイメージはみんなクラシアンや水の救急隊などの「困ったら呼ぶ人」
単純に「水道屋」と言えばまぁ間違ってませんが私が勤めていたのは「水道設備屋」です。単純な「水道屋」とは違います。もっと厳しく言えばクラシアンや水の救急隊と一緒にするな!と言いたいのです。
それじゃクラシアンなどの「水道屋」と「水道設備屋」の違いとは?
一番大きな違いはクラシアンなどは宅内の水周りしか扱えないこと。
水道設備屋は全ての配管を扱えること。
何故クラシアンなどは宅内しか扱えないのか?
これを説明するには水道全般の仕事をざっくりとお話ししないとなりません。
我が国日本には水道と言っても3種類有ります。
1、上水道=飲み水ですね。
2、中水道=飲めないけど綺麗な水。
3、下水道=汚い水。
2は一般の方にはあまり馴染みのない水ですね。主に大規模運動場の芝生の水まきやトイレの長し水専用に用いられます。大規模工場等にも使用されているかも。要は飲めないけど下水処理はされた水です。
水道屋と言うと皆さん1の上水道関係を扱う業者のイメージでしょうか?
3の下水道も水道屋の仕事です。
が、しかしここでややこしくなってくるのは法律(2は端折ります)
まずは上水道。
上水道を扱うには「給水装置工事主任技術者」なる資格が必要です。
この資格は国家資格。難易度も10段階で言ったら6~7ぐらいのそこそこ難しい資格。人の生命維持には無くてはならない上水道を扱うので国家資格は納得ですね。因みに国家資格ですから習得してしまえば全国で通用する資格。
会社規模で行う場合は誰か1人がこの資格を持っていれば工事は行えます。
もう1つの下水道では「排水装置工事主任技術者」と言う資格が必要。
給と排、文字こそ1文字違いですがその扱いや難易度は別格。
「排水装置工事主任技術者」は民間資格だからです。
下水道協会みたいな団体が行っている資格なので、その資格自体は習得した県(県単位です)でしか通用しない資格になります。
余談ですが私はこれを知らずに東京都で排水装置工事主任技術の試験を受けようと講習会に行ったのですが会の冒頭に先の説明をされてそそくさと帰ってきた経験があります(泣)
排水装置工事主任技術者の難易度は給水に比べれば簡単。まぁそれでも合格率は私の県で50%ぐらいだったのでなめてかかると返り討ちに合います。
個人的には給水より下水の方が難しいように思えるのですが給水は受けてないので解りません(受ける前に辞めちゃったから)
排水装置工事主任技術者の試験は実技などは無いのですが給水と違って「水圧」で押し流す訳ではなく「自由落下」ですから配管布設にも「勾配」を採らないとならないので勾配測量や「桝」といった物も布設していかないとならないので結構面倒くさいです。
つづく