以前「コロナで変わったこと」という記事を書いたが、もうひとつ変わったことを思い出した。読書習慣だ。しかも読書習慣がついたのではなく、なくなったのだ。
不思議に思うかもしれない。コロナになってほぼ在宅になったと以前書いたが、それなら時間的な余裕は以前よりできたはずだ。にもかかわらず、なぜ読書習慣がなくなってしまったのか。
結論から言うと、電車に乗らなくなったからだ。つまり以前の私は、読書を電車の中でする生活を送っていたのだ。
みなさんは、電車で何をしていることが多いだろうか。多くの人はスマホを見るか座って寝ているかだろう。大体はスマホを見ている印象だ。
まれに読書をする人もいるが、私がその一人だ。特に出社する時は毎日2時間弱も電車に揺られていることが多い。仕事でもPC作業がメインなので、電車でもスマホばかり見ると目が疲れてしまう。本も疲れるが、画面を見るよりはいいという個人的な理屈で、電車でのスマホは急用がない限り使用禁止とし、代わりに読書をしていた。
少なくとも平日5日間は毎日2時間弱、計10時間弱も読書にあてていた。今思えばなかなかの読書量だったと思うが、当時は習慣だったので何とも思わなかった。どれくらいの本を読んでいたかというと、大体2週間で3冊のペースだった。月6冊、年間72冊程度だろうか。年間100冊まではいかないが、それなりに読んでいる部類ではないかと思う。
この生活は、コロナとともに終わりを迎える。在宅勤務が中心の生活になったことで、電車に乗る機会が激減した。出社する時は以前のように読書はするが、週1程度のペースになったので、電車での読書量は週2時間かそれ以下だ。
かといって、在宅の日の勤務時間前後に読むかというと、そうはならなかった。どうやら私は読書を習慣にしていたのではなく、電車で読書をすることを習慣にしていたらしい。これは新たな発見だった。
ちなみに現在は月1冊か2冊ペースなので、年間20冊も怪しい。おそらく15冊程度だ。随分とペースが落ちたが、家で読書をする習慣がないのだから仕方がない。家での習慣は動画を見ることだ。本が動画に変わっただけのことで、読書自体は変わらず好きだ。
では、どんなジャンルを読んでいたかというと、7割は小説だ。2割はビジネスや自己啓発系で、残りの1割はノンフィクション系だ。
小説を好んで読んでいた理由として大きいのが、その世界観に浸れることだ。電車で読んでいるときは仕事前や仕事終わりの時間帯が多い。その時間は、悪く言えば日々の代わり映えのない時間だ。その退屈な時間に小説を読むことで、一気に別の世界観に思考を移動することができる。
小説を読むことで仕事モードから一気に解放され、ワクワクしながらページをめくることができる。残業で帰りが遅くなっても、小説を読むとその世界に入り込めるので、疲れも消し飛んでしまう。たまにワクワクしない小説もあるが、大抵は単行本を出すほどの実力ある作家が書いているので、面白い内容が殆どだ。
よく、通勤時の満員電車が好きな人はいないと言われている。私も嫌いだが、読書をする楽しみもあるため、他の人よりは嫌悪していない自身がある。むしろ小説のクライマックスに差し掛かると、電車に乗るのが楽しみですらある。
ただし、身動きも取れないほどの混み具合だと読書自体できないので、それは避けたい。そのため、急行などでなく各駅の電車に早めに乗るなどして、座席前の手すりをつかむ位置を確保するようにしていた。ドア付近や手すりのないエリアで読書をするのは難しいので注意が必要だ。
次に読んでいたジャンルはビジネス系や自己啓発系だ。
最近も投資やお金持ちの実態を扱った本を読んだり、少し前は『ファクトフルネス』(2019年、日経BP、ハンス・ロスリング(著)ほか)を読んだりして、未来の世界に希望が持てたところだ。頻度は高くないものの、別ジャンルも読むことで世界が広がるのを実感できる。
そのほかに挙げるとすればスポーツ系で、たとえば『イチロー・インタビューズ 激闘の軌跡 2000-2019』(2019年、文藝春秋、石田 雄太(著))などだ。この本はイチローがアメリカに行ってから度々行われたインタビュー記事をまとめたものだ。その時々のイチローの考えが書かれており、ファンにはぜひ読むことをおすすめする。
最後は本の紹介になってしまったが、とにかく私の本を読む習慣は、どうやら電車の中という要素が大きかったようだ。とはいえ、ペースが落ちただけで読むこと自体はやめていないし、嫌いになったわけでもない。もしかしたら日々の通勤電車に嫌気がさして、それを忘れるために本を読んでいた、という表現が正しいのかもしれない。であれば、今の読書量が本来のペースだと思う。
そう考えると、やはり通勤電車は避けるべきものという結論に落ち着く。コロナ前の日常に完全に戻り、出社が当たり前となった場合はどうしようか…転職?今後の働き方も考えねば…と、最終的に思考が今後の働き方にまで及んだ今回の話題だった。