車を買い替えようと思い始めたのは、去年の秋ごろのことだった。10年乗り続けた愛車がついに修理代のほうが車両価値を上回るという、あの悲しい瞬間が来てしまったのだ。ディーラーに行くたびに「そろそろ潮時ですね」と言われ続け、ようやく重い腰を上げることにした。
問題は、今の時代、車の値段がとんでもないことになっているということ。私が最初に車を買った十数年前とは比べ物にならないくらい、新車も中古車も値上がりしている。なんとなくの感覚で「月々3万円くらいなら払えるかな」と思っていたのだけど、実際にディーラーで見積もりを取ってもらったら、希望していたSUVの月々の支払いが5万円を超えてきた。え、なんで?という感じで、正直パニックになった。
そこで、ちゃんと自分で計算してみようと思い立った。ディーラーの言う金額をただ受け入れるのではなく、借入金額・金利・返済期間を自分で入力して月々の支払額を出せるCar Payment Calculatorを使ってみたのだ。これが本当に目からウロコで、金利が0.5%違うだけで総支払額が数十万円も変わることを初めてリアルに実感した。「金利なんてどこも似たようなもんでしょ」なんて思っていた自分が恥ずかしくなるくらい。
具体的には、車両価格が250万円、頭金50万円、残り200万円を5年ローンで組むとして、金利2%と金利3%ではどれくらい違うのかを比べてみた。2%の場合、月々の支払いは約3万5千円。3%になると約3万6千円。月々はたった1千円の差に見えるけど、60回払いにすると総額で6万円近く変わってくる。さらに、もし頭金をもう少し増やして諸費用を抑えられたら、また全然違う数字になる。こういうシミュレーションを自分でできるようになったことで、交渉の場でも自信を持って話せるようになった。
余談になるけれど、今回の車購入をきっかけに、改めて自分の家計全体を見直そうと思った。車だけでなく、住宅ローンや保険料、子どもの教育費など、毎月の固定費がどれだけあるかを洗い出してみると、正直ゾッとするくらい多かった。その中でひとつ気になったのが、数年前に契約した保険の保険料が「なぜかじわじわと上がっている」ということ。
「そういえば3年前より高くなってるな」という感覚はあったものの、具体的に何%増えているのかを把握していなかった。調べてみたら、Percentage Increase Calculatorがあって、数字を入れるだけで「以前より何%上がったのか」が一発でわかる。使ってみたら自動車保険は契約当初と比べて12%以上値上がりしていた。「なんとなく高くなった気がする」が「12%も上がっていた」という事実に変わると、さすがに保険の見直しを真剣に考えるきっかけになった。こういう数字の変化に気づくための道具を持っておくことは、日々の生活費管理においてすごく大事だと痛感した。
話を車に戻すと、結局私はSUVではなく、もう少し維持費の安いコンパクトカーに決めた。総支払額で考えたときに、SUVとの差額が100万円以上あったから。「かっこいい車に乗りたい」という気持ちはあったけど、それよりも老後の貯蓄に回したほうが絶対いいという判断をした。このあたりの考え方は、節約ブログや投資の話を読んでいるうちに少しずつ身についてきた感じがする。
老後の話で言えば、最近ロスIRA(Roth IRA)の概念を知って、日本のNISAとの違いを調べていた。アメリカの制度なので日本在住の私には直接関係ないのだけど、「税引き後のお金を運用して、将来引き出すときは非課税」という考え方は、日本のNISAとも似ている部分があって、仕組みを理解しておくことは損じゃないと思って勉強してみた。ロスIRAのシミュレーターを使って「もし毎月一定額を30年間積み立てたらどうなるか」を試算してみると、複利の力がいかにすごいかがよく分かる。毎月3万円でも、年利5%で30年続けると2000万円を超えてくる。数字で見るとやる気が出てくる不思議。
さて、今回の車購入に関連して、もうひとつ地味に役立ったのが書類の管理だ。ディーラーとのやりとりで、整備記録や見積書など、けっこうな量の書類が出てくる。私はフリーランスで仕事をしている関係上、こういった書類の管理に気を使っていて、車に関係する費用も、仕事で使う機会があれば経費として計上できる場合もあるので、きちんとした書類を手元に残しておくことは大事だと改めて感じた。ペーパーレス化の波もあって、PDFで管理できるツールを普段から活用している。
話が広がりすぎたけれど、今回の車購入を通じて学んだことをまとめると、「なんとなく」で大きなお金の決断をしてはいけないということ。月々の支払額だけ見て「払えそう」と判断するのは危険で、金利・期間・総支払額を一緒に見ることが本当に大切。そのためのツールは今やネット上にたくさんあるので、活用しない手はないと思う。
同じように車の購入を考えている方や、今のローンの条件を見直したいという方は、まず自分でシミュレーションしてみることをおすすめしたい。数字をいじっているうちに、「あ、こっちのほうが得だな」とか「頭金をもう少し増やすべきだな」とか、いろんな発見がある。お金のことって、誰も教えてくれないし、学校でも習わないことがほとんどだから、自分で少しずつ知識をつけていくしかない。でもそのための道具は、今はちゃんと揃っている。使うかどうかは自分次第だなと、今回改めて思った。