ネットショップやフリマアプリの商品ページに動画を置くと反応が変わる、という話はよく聞きます。とはいえ撮り直しの手間を考えると、なかなか踏み切れないものです。
最近は「静止画を1枚アップして、動きを文章で指示すると短い動画になる」タイプのAIツールが増えました。実際に試してみると、思ったより結果を左右するのはツール選びよりも入力の作り方でした。ここでは、最初につまずきやすい点を5つに絞って整理します。
① 仕上がりの8割は「元画像」で決まる
AIが動かすのは、あくまでアップロードした1枚の写真です。元画像がぼやけていたり、被写体が小さく写っていたりすると、動かした結果もそのまま粗くなります。
- 被写体が画面の中で十分な大きさを占めているか
- ピントが合っているか(特に商品のロゴや質感の部分)
- 背景がごちゃついていないか
ファイル形式はPNG・JPEG・WebPあたりが一般的で、サイズ上限は10MB程度に設定されているサービスが多いです。スマホで撮ったままの写真なら、まず問題になりません。
② 「何が動くか」を具体的に書く
ここが一番差が出るところです。「かっこよく」「おしゃれに」といった形容詞だけの指示では、AI側が解釈に困ります。
うまくいきやすいのは、次の3つを分けて書く方法です。
- 被写体の動き — 「モデルがゆっくり振り返る」「湯気が立ちのぼる」
- カメラの動き — 「手前にゆっくり寄る」「左から右へパンする」
- 雰囲気 — 「やわらかい自然光」「夕方の暖色」
逆に、元の写真に写っていないものを動かそうとすると破綻しやすいです。「後ろのドアが開く」のような指示は、そのドアが写っていなければ再現されません。
③ 長さは3〜30秒。長ければいいわけではない
多くのサービスで、1回に生成できる長さは3秒から30秒程度です。料金は秒単位で加算される仕組みが一般的なので、いきなり長尺で試すとコストがかさみます。
商品ページやリール用なら5秒前後で十分なことが多く、まず5秒で当たりを付けてから伸ばすほうが結果的に安く済みます。
④ 出力先ごとに縦横比を変える
生成される動画は元画像の縦横比を引き継ぐのが基本です。つまり、アップロードする前に切り抜いておく必要があります。
- リール・TikTok・ショート → 9:16(縦)
- 商品ページのサムネイル → 1:1(正方形)
- YouTube・PC向けバナー → 16:9(横)
同じ写真から3種類作りたい場合は、先に3枚に切り抜いてからそれぞれ生成するほうが確実です。
⑤ 商用利用の範囲を必ず確認する
販売ページに使うなら、ここは飛ばせません。サービスによって条件がかなり違います。
- 無料プランはウォーターマーク(透かし)が入ることが多い
- 商用利用が有料プラン限定になっている場合がある
- 生成した動画の保存期間に期限があることがある
「無料で試せる」と「無料で商品ページに使える」は別の話なので、利用規約の該当箇所は目を通しておいたほうが安全です。
実際の手順は3ステップ
私が使っているのは Stivio という画像から動画を作るツールですが、この種のサービスはだいたい流れが同じです。
- 写真を1枚アップロードする(この1枚が動画の最初のコマになります)
- 動きを1〜2文で書く(②で挙げた3点を分けて書く)
- 数分待って、HDのMP4をダウンロードする
Stivioの場合はKlingやSeedanceなど複数のモデルを切り替えられて、生成前に消費コストが表示されるので、秒数と料金の感覚をつかみやすいのが個人的には助かっています。Googleアカウントでログインすると無料枠が付くので、まず5秒の動画を1本作ってみると雰囲気がわかると思います。
まとめ
結局のところ、きれいな元画像を用意して、動きを具体的な言葉にして、短く試す。この3つを押さえるだけで失敗はかなり減ります。撮り直しよりずっと軽い手間なので、手元に眠っている商品写真があれば一度試してみる価値はあると思います。