2019年の全英女子オープン終了後はシブコ祭りでゴルフ界は賑わいましたが、今回も笹生祭りでゴルフの話題は占められています。
渋野さんの時はスマイルとかモグモグタイム等が話題の中心となり、彼女の技術面を掘り下げる記事が少なかったと記憶しています。このブログでもその点についてマスコミに対する批判ブログを書きました。
笹生さんに関する記事は技術面が大半です。技術とそれを裏付ける基礎体力、それを習得するための努力などがクローズアップされています。
マスコミが成長したというよりも、笹生さんと渋野さんのキャラクターの違いでしょう。
世界のメジャー大会で優勝するためには、一定レベルの実力とコース相性と運が揃う必要があります。
一定レベルの実力というのは国内ツアーでもシーズン複数回優勝できる程度だと思っています。渋野さんも笹生さんも満たしています。稲見さんや古江さんも可能性はあると思います。
運は理屈で説明できるものではないので省略しますが、コース相性は大事です。
今回の全米女子オープンはラフが深いのが特徴でした。フェアウェーをキープできる選手が有利なのですが、その一方でラフに入れてもピンを狙えるショットを打てる選手もチャンスがありました。前者の代表格が朴インビさん、後者の代表が笹生さんとレクシーですね。
フェアウェーキープ
笹生さん 33/56
畑岡さん 32/56
レクシートンプソンさん 35/56
フォンシャンシャンさん 45/56
朴インビさん 38/56
彩子さん 40/56
パーオン
笹生さん 47/72
畑岡さん 45/72
レクシートンプソンさん 47/72
フォンシャンシャンさん 48/72
朴インビさん 46/72
彩子さん 31/72
今回のコースでラフに入れてもピンを狙えるショットを打てるのは相当なパワーが必要だったのは画面越しでもわかります。笹生さんにはそのパワーがありましたし、今回、マスコミがそこをクローズアップしているのも頷けます。畑岡さんも日本人選手としてはパワーがありますが、身長が低い分だけ精度は落ちます。その中で笹生さんとほぼ同じフェアウェーキープ率とパーオン率を残しているのは素晴しいです。
フォンシャンシャンさんや朴インビさんはフェアウェーをキープして確実にピンを狙うタイプです。飛距離ではなくショットの精度で勝負するタイプです。彼女達もメジャーチャンピオンですが、どちらかと言うとショートゲームの達人ですね。
彩子さんはフェアウェーキープできるのですが、ピンを狙うショットの精度が落ちます。飛距離が影響している面もあるでしょうが・・・。ショートゲームでカバーするにはパーオン率の差が大きすぎるのでこれだけタフなコースでは厳しいのは当然です。
渋野さんが優勝した全英女子オープンは他の日本人選手でも優勝できる可能性を感じましたが、今回の全米女子オープンのコースで笹生さんと畑岡さん以外に優勝できる選手がいるだろうか・・・と考えると、残念ながら厳しいと言わざるを得ません。
原英莉花さんは飛距離では笹生さんに負けないと思いますが、今回のようなラフからピンを狙えるだけのパワーは感じません。曲げた分だけボギーやダボを積み重ねていくと思います。
むしろ、抜群のフェアウェーキープ率とパーオン率を残せる選手の方がチャンスがあると思いますが、朴インビさん並みのショートゲーム力を持っていないといけません(汗)。
ただ、基礎体力で劣る日本人選手にとっては笹生さんタイプを目指すのではなく、朴インビさんタイプを目指していくほうが良いでしょうね。
ちなみにフェアウェーキープ率とパーオン率で共にトップテン入りしている選手は植竹希望さんだけです。しかし、植竹さんはショートゲームをもっと磨かないといけないレベルです。
稲見さんはフェアウェーキープ率13位でパーオン率3位ですから最も近い存在です。現状なら稲見さんが一番近いと思いますが、今シーズンは国内ツアー専念でしょうし、タイミングが合うかどうか・・・。
「勝てば官軍」でマスコミが話題にするのは笹生さんばかりですが、畑岡さんは本当に強い選手だと感じました。いや、前から言い続けています(笑)。海外メジャーで2位が2回、3位が1回です。毎回違うコースで開催されるメジャー大会で何度も優勝争いできる選手は本物です。運が無いとしか言いようがありません。
笹生さんのように恵まれた身体を持っているわけではなく、努力の塊と言ってもよいでしょう。
風に弱いところがあるので全英女子OP以外のメジャーはいつ優勝しても不思議ではありません。あとは巡り合わせだけでしょう。一部では勝負弱いと言われていますが、いやいや、勝負弱い筈がありませんよ。日本女子オープン連覇や日本女子プロ選手権に優勝しているのですから・・・。
渋野さんに続いて笹生さんが海外メジャーで優勝し、畑岡さんも海外トップクラスを維持しています。中にはJLPGAの努力が実って来た・・・等と解説している人もいますが、まったく事実を捻じ曲げた記事ですね(笑)。
笹生さんはアマチュア時代からずっと海外ツアーなど、世界を飛び回っていました。アマ時代にサントリーレディスなどに出場していましたが、国内ツアー出場は多くありませんでした。海外ツアーの経験が豊富だったことが今回の優勝に寄与したと思っています。
畑岡さんもジュニア時代から海外試合の経験豊富でしたし、プロ入りしてからの国内ツアー出場回数は驚くほど少ないです。海外ツアー参戦初年度の2017年は苦戦続きで日本に戻って来た途端に連勝したくらいで、その時点で既に国内ツアーのトップレベルを超えていました。
渋野さんも全英女子オープンまでに国内のレギュラーツアーに出場したのは約15試合です。前年はステップアップツアーでしたからね。
つまり、この3人に共通しているのは国内のレギュラーツアーで育ったと言える選手ではないことです。JLPGAの努力よりも別の要因が大きかったわけですね。
むしろJLPGAは反省して、世界で勝てる選手を育成するために、もっとメリハリのあるコース設定にチャレンジして欲しいですね。今回のようなタフなコース設定とバーディ合戦の設定のバランスが大事です。今は3日間大会で優勝スコアが12~13アンダーというのが通り相場のようになっています。こういう試合が結構な比率を占めているのです。
アメリカツアーと比較すると中途半端ですね。どっち付かずになってしまい、フェアウェーキープは重要ではなく、ある程度のパーオン率とパットが入れば優勝できる設定が多すぎます。
国内ツアーを数年経験してからアメリカツアーに参戦しても苦労する選手が多いのは何故なのか、を論理的に整理して国内ツアーを変えていかないと駄目でしょうね。