国内の女子ゴルフ界は樋口久子さんから始まったと言っても過言ではないでしょう。樋口さん一強時代というと彼女のライバル選手から批判を受けるかも知れませんが、成績を見るとそうなります。
ただ、この時代は選手層が薄く、国内ゴルフというとAONを中心とした男子ツアーが人気面でも主流でした。
その後時代は流れ、2000年頃から不動さん一強時代となりました。不動さんが活躍した時期は樋口さんの時代と違ってかなり選手層も厚くなっていましたが、2000年から2005年まで6年連続賞金女王という偉業を達成しています。
その不動さん一強時代に突然躍り出た選手が藍ちゃんでした。藍ちゃんはアマ時代にツアー1勝して、2004年と2005年のわずか2シーズンで11勝もしています。
一言でいえば、藍ちゃんは登場シーンの鮮烈なイメージと、わずか2年間での爆発的な活躍によって時代の幕を開けた選手です。
藍ちゃんに1年遅れる形でプロデビューしたのがさくらさんです。2004年にわずか3試合でシードを確定させ、2005年から2014年までの10年間で23勝を積み重ねました。
藍ちゃんが扉を開いた選手だとすれば、その後の国内女子ツアーの道を照らし続けて先頭を走ってきた選手です。
2009年にさくらさんが賞金女王を獲った年のQTに黒船がやって来ました。2010年には賞金女王となったアンさんや朴インビさんが国内ツアーに参戦しました。その流れが現在まで続いていると思います。
現在の国内女子ゴルフ界は藍ちゃんのアマ優勝すら始まった時代の延長線にあると言っても良いでしょう。藍ちゃんが扉を開けて、さくらさんが引っ張って来た2004年体制に、2010年から始まった外国人選手の本格参入が衝撃を与え、今は、それらが混じり合った時代だと思います。
最近、藍ちゃんが国内ツアーに参戦するたびに、テレビ局をはじめとしてマスコミは藍ちゃんを神格化したような表現で解説します。現役の若手選手も藍ちゃんを神様的な存在のように感じているようです。
しかし2004年体制を語る上で、藍ちゃんだけで説明することはできません。
例えば、さくらさんという選手が存在しなかったら、現在の国内ツアーはどうなっていたでしょうか?
藍ちゃん不在の国内ツアーで、更にさくらさんも居ない国内ツアーは現在のように盛り上がったのでしょうか?
2003年以降の国内試合優勝回数です。(不動さんを除く)
23勝 さくらさん
22勝 全さん
19勝 アンさん
17勝 イチヒさん
16勝 大山さん
14勝 藍ちゃん
13勝 智恵ちゃん
12勝 古閑さん、イボミさん
10勝 上田さん
9勝 諸見里さん、申ジエさん
8勝 テレサさん
7勝 佐伯さん、茜さん、森田さん、成田さん
6勝 茂木さん、北田さん
5勝 真夕さん、藤田さん、吉田さん、フォンさん
では、藍ちゃんが存在しなかったら、現在の国内ツアーはどうなっていたでしょうか?
不動さんの時代がもっと長く続いたのでしょうか?それても、さくらさんが既に30勝していたでしょうか?
現在の女子ツアーは、藍ちゃんとさくらさんの存在無しでは語ることができないですね。
しかし、マスコミは藍ちゃん一辺倒です。それは扉を開けた功績とともに、アメリカツアーでの活躍があります。
さくらさんが国内ツアーの先頭を走ってきたことは評価の対象となっていないこと。
これは国内ツアーの存在そのものを矮小化していることにならないでしょうか?
自分たちのツアーをより小さく評価しているわけです。
さくらさんが、彼女の活躍に値する評価を受けることによって、初めて、国内ツアーの価値も評価されるということに協会も選手も気が付かないといけません。
逆に、海外で1勝した美香さんは日本女子OPで2勝しているものの、国内ツアーの価値を上げることはしていません。彼女の海外ツアー1勝は彼女のためだけのものなのですね。
そもそも、さくらさんのように100試合も続けて日曜日にプレーする自信を持てる選手は居るのでしょうか?200試合も続けて予選落ちをしないという自信を持てる選手は居るのでしょうか?
どう見ても現実的ではない数字ですね。
記録はいずれ破られるものです。最年少にしても最多勝にしても、連続予選通過記録も同じでしょう。
しかし、現在の選手達を見ていて、当分の間、連続予選通過記録は破られないと思います。
さくらさんのような選手が居ないからです。それだけ傑出した選手なのです。彼女の存在を評価することから、国内ツアーの未来が見えてくるのではないでしょうか。