今日のバンクーバー五輪、皆さん、どの種目、どの選手に期待していましたか?
スキージャンプノーマルヒル、女子モーグル、スケートショートトラックが行われていました。
ジャンプとモーグルは過去の五輪で日本人選手がメダルを獲得した種目です。ショートトラックは五輪採用前には日本のお家芸とも言えるほどの実績を残していた種目です。
ジャンプに関して言うと、かなり世界のレベルから差を付けられているのが現実でしょう。年齢で差別するわけではありませんが、30代後半の選手が第一線で頑張っているということは、裏返して言うと、若手が育っていない、中堅の層が薄い、ということです。
メンバー構成を見ただけで、これは駄目だな、と感じました。結果は・・・・・予想通りでした。
女子モーグルは、33歳で故障がちとは言え過去2回メダルを獲得した里谷選手、常に世界に通用する戦いを続けている上村選手、若手の伊藤選手とニューフェースの村田選手の4名の参加でした。
年齢的には20代中頃の選手がいないことが気がかりですが、村田選手の入賞によって救われました。
上村選手は、今年が五輪でなければメダルを獲得していたかも知れませんが、4年に1度の五輪の難しさと言うべきでしょうか。
前回は、試合終了後、応援していた人に謝っていました。自分が一番悔しいはずなのに、悔しさを他人にぶつけることなく・・・。驕ることなく、他人に気配りできる人だな、と思っていました。できることならメダルを獲らせてあげたかったのですが、一歩届かず残念でした。
周囲の期待も大きく、重圧もあったでしょうが、その中での4位入賞は、非難するのではなく、暖かく見守ってあげたいですね。
ショートトラックの女子3000mリレーは、密かに期待していた種目でした。しかし、中国とカナダにはスピードの差を見せつけられた結果となりました。5~8位決定戦に出場することになりますが、上位4チームのうち失格チームが出ると順位が繰り上がりますから、ぜひ最上位を確保して欲しいと思います。
また、皆さん20代前半の選手です。もっと実力を蓄えて、次の五輪ではメダルを獲って欲しいものです。
さて、リュージュの件ですが、コースには問題がなかったと結論付けているようです。
しかし、選手の技術が未熟であったというような結論で良いのでしょうか。IOCが失敗を認めたくない気持ちはわかります。
もちろん、メダルを獲る選手は完走するわけですから、その点で、この選手には足りない部分があったのは間違いないのでしょう。
しかし、問題は、コースを逸脱してしまったことや、スピード化が誤りなのではなく、その結果死亡につながるようなコース設定されていたことにあるのです。
スタート位置を下げることでスピードを落とし、コースの一部を改修することでコースから逸脱しにくいようにしたそうです。また、事故地点のカーブの外側に木製の壁を作ったそうです。
ウインタースポーツは危険がつきものだ、という考えをしている人もいます。
それは事実でしょう。プレー中のケガは避けられないこともあります。骨折や捻挫などもするでしょう。場合によってはそれが大怪我につながったり、死亡事故を招くことはあります。
リュージュが危険な種目であることは関係者であれば周知のことでしょう。
危険な種目に挑戦しているのだから仕方がない、というのではなく、危険な種目だからこそ、最悪の死亡事故につながらないための安全配慮をしておくべきであったと思います。
コースを飛び出る可能性があるのなら、そのような地点に鉄柱が並んでいてはいけないのです。
鉄柱がなければ、彼は大怪我をしたとしても、生命を落とすことはなかったと思います。
今更、木製の壁を作るのは遅いですし、また、木製の壁で十分なのですか、と問いたいところです。
野球場のフェンスがラバー製になっていることと同じで、安全管理の問題なのです。
しかし、今回の死亡事故は、防ぎようがなかったのでしょうか。
コースを逸脱することは避けられなかったとしても、最悪の事態を想定し、それを回避する意識が関係者の中では薄かったのではないか、と思います。
くどいですが、言います。
こういった事故は、冬の競技にはつきものだというのではなく、最悪の事態を見越して危機管理をするべきだ、と。選手が生命の危険を冒すことなく、スピードの限界に挑戦できるような環境を作るべきだったのです。