朝青龍問題について2回ほど記事を書きました。相撲は好きなスポーツ(?)ではありませんが、これだけ話題になると、取り上げたくもなります。
どうやら示談は成立したようです。これで刑事事件には発展しないということのようですが、だからと言って処分は無し、というわけにはいきません。
これで処分なしだったら、横綱の地位を示談金で買ったのと同じですね。
Bugwineさんもおっしゃるように、業界のトップたる者は業界全体のことを考えて行動するのが当たり前です。
それは「横綱の品格」という矮小化されたものではありません。
スポーツだけでなく、政治、企業、芸能・・・どの分野であれ、その中でそれなりの地位にいる人は、自分の利益だけを考えて行動していては失格です。
くどいですが、朝青龍の起こした傷害事件は、横綱として失格というだけでなく、1人の人間として「やってはいけないこと」をやってしまったわけです。
今回の行為は、横綱であろうがなかろうが、厳しく処分されるべき出来事なのです。
彼は、これまでに何度も厳重注意処分を受けています。今更「引退勧告」で済ませられるわけがありません。
勧告をしても、彼がそれを受け容れなかったらどうするのですか?
除名処分しか考えられません。
さくらちゃんの高校の先輩だから・・・・というのは関係ありません。朝青龍がどんな犯罪者であったとしても、同じ学校を卒業したと言うだけで、さくらちゃんに傷が付くものではありません。
仮に、さくらちゃんが朝青龍のことを尊敬していようが、好きだと言おうが、朝青龍の問題はその善し悪しを冷静に判断するべきです。
今日のテーマは「協会の危機管理」にしました。
相撲協会のことではなく、LPGAのことです。
ゴルフ協会にとっての危機管理には、色んなレベルがあります。
経済状況悪化によるトーナメント減、賞金減と言った経済面だけでなく、スター選手不在などの人気面、そして、悪天候などのトーナメント運営面など。
協会にとって喉に骨が突き刺さった問題というと、滝浪愛選手の問題があります。
最近に女子ゴルフに興味を持ち始めた方には解らないかも知れませんが、大昔の話ではありません。
2006年のQTにおいて、滝浪選手がスコアを改ざんしたことが発覚し、2か月後に10年間の資格停止処分を受けました。
滝浪選手は2001年プロテスト合格ですから、古閑さんと同期ということになります。
プロフィールを見ると、身長166cmでドライバー飛距離260ヤードと書かれていますから、身体を活かしたロングヒッターであったようです。21歳でプロ入りした後、思うような成績は残せていません。同期の古閑さんに置いて行かれ、後輩にも追い抜かれ、焦りがあったのでしょうか。
スコア誤記というのはよくありますが、これは過失ですから、その試合については失格となりますが、次の試合以降は普通に出場できます。
この事件も、当初はスコア誤記として処理されたようで、その試合は失格となっています。
しかし、彼女は、故意にスコアを改ざんしたことを2か月近くもの間否認し続けたのです。
直前に男子プロが同様の事件を起こし、5年間の資格停止処分を受けていたことや、滝浪選手の態度の悪さを重く見て、協会は10年間の資格停止処分としたのです。
10年間は、トーナメント出場だけでなく、協会員の資格でのレッスン活動も禁じられています。当時26歳でしたので、復帰したとしても36歳ということになります。
紳士のスポーツ、審判の居ない自己申告のスポーツであるゴルフを冒涜する行為ですから、かなり厳しい処分となったわけですが、当時は、何故永久追放にしないのか?という声も多かったようです。
樋口会長は、まだ若い選手の過ちに対して、極刑にあたる処分は避けたのです。しかし、現実には、プロゴルファーとして活躍する機会はほぼ失われたものと思われます。
滝浪選手は、協会の名誉を傷付けて、除名ではないものの、ほぼ復帰不能な状況に追い込まれました。
朝青龍は、協会の名誉だけでなく、他人にケガを負わせたわけです。もう、除名処分しか考えられないのではなてしょうか。