横綱朝青龍について、当初の報告が嘘であった、との報道がされています。
私も1月26日のブログで、今回の事件は品格以前の問題で、犯罪なのであるからしっかり処分すべきだ、と書きました。
その時点では、被害者は関係者だったということと、被害が軽いものであったこと、被害者が朝青龍に対して責任追及する姿勢がない、というのが与えられた情報でした。
しかし、昨日には、被害者は一般人であったこと、被害は鼻骨を骨折するほどのケガでかなりの出血があったこと、被害届は提出されていないもののその場にいた警察官が様子を見ていたこと、誰が嘘をついたのかわからないが武蔵川理事長に虚偽報告をしたこと、などが伝えられています。
こと、刑事事件に発展する問題です。事実関係は解りませんが、多数の目撃者が居たことから、概ね、後から出てきた情報が正しいのかもしれません。
被害者が被害届を提出していないことには色々と理由があるのかも知れませんが、警察は何をやっているのでしょうか。現行犯に近い状況ですから、逮捕なり、事情聴取するべきでしょう。
天下の横綱が逃げも隠れもしないから、手を緩めたのでしょうか。疑問です。
警察の動きは別として、協会及び横綱審議委員会はその存在意義を失ったと思います。
本場所中の深夜に飲酒した勢いで他人に暴行を与えたことで「厳重注意」をして終結させるというのでは、コンプライアンス、危機管理といった面での意識の低さ、というか、無さに驚きです。
今回、真実が明らかになったとして、仮に重い処分が下されたとしても、「一般人相手だったので重い処分をすればそれで良いのだろう?」というような考えでは間違いです。
この場合、相手がマネージャーだったから「厳重注意」にしたが、一般人だったから「○○処分」にした、というのでは、過去にあった相撲部屋内のリンチ事件を肯定しているのと同じではありませんか?
部屋関係者は横綱に暴行を受けても仕方がない、とでもいうのですか?
被害者が誰であろうとも、土俵外で、暴力行為を働き、ケガを負わしたことに対しては、厳重な処分をするのは当たり前のことです。
何度も言いますが、これは犯罪行為です。
協会の規約には何と書いているのでしょうか。こういう場合の処分は○○である、と明記している筈です。
会社の就業規則と同じで、行為に対する処分というのが明記されていなければいけません。
それすら、相撲協会にないのでしょうか。あるなら、それに従うべきです。無いなら、そのような規定もないような協会は一旦解体して、出なおすべきです。
「朝青龍が好きだから」とかいう感情論を切り捨てて、こういうケースでは誰であってもこういう処分をする、ということがないといけません。横綱の品格の問題ではない、ということです。
他人に傷付けた横綱が、平然と、来場所以降も相撲をとっているとすれば、もう「国技」と名乗るのは止めていただきたい。こんな問題を厳重注意で済ませていたら、日本の恥ですよ。
日本相撲協会の皆さん。理事戦で忙しいでしょうが、足元から崩れていっていることに早く気付いてください。
横綱審議委員会の皆さん。名誉職のつもりで引き受けているのでしょうが、「不名誉職」ですから、手をひかれた方が良いのでは。