30歳定年、と聞いて何を思い浮かべましたか?

女子アナウンサーが30歳定年、という話をよく聞くことがあります。実際には、それ以上の年齢でも活躍している女子アナは大勢いますが、やはり放送局の中では色々と言われたりするのでしょうね。


スポーツの世界では定年制度はありません。実力の世界ですから、プロ選手として十分実力を発揮して、お金を稼ぐことができる間は、現役です。年齢ではなく、自分自身の力です。

スポーツの種類や、性別によっては現役引退の年齢は変わってきます。


最近は、身体のケアに十分気を使うことか当たり前のようになってきましたので、大抵のスポーツで引退年齢が上がっています。特に、女子選手の場合は、結婚・出産・子育て、というものが絡んできますが、これも社会全体の考え方が変化してきました。女子選手も長く現役を続けたり、あるいは引退したものの復帰して活躍するというケースが増えています。


ゴルフというスポーツは、心技体が揃わないと活躍が難しいものですが、いわゆる体力勝負ではありません。

身体能力は20歳前後を頂点に、後は下がる一方と言われています。ゴルフは、身体能力以外の要素が比較的モノを言うスポーツです。技術面、精神面、戦略面など、トーナメントを戦う上で必要とされる能力は、一定の経験を必要とされます。


ゴルフを始めた年齢、プロ入りした時の年齢、初優勝した時の年齢、ピークだと思われた年齢を並べてみました。ピーク年齢は優勝回数等から私が勝手に考えた年齢です。

樋口久子さん  18 22 ?~38

大迫たつ子さん 15 19 25~36

吉川なよ子さん 20 24 30~39

森口祐子さん  18 20 23~30  

岡本綾子さん  21 24 26~43

服部道子さん  11 23 25~

平瀬真由美さん 11 18 20~26

福嶋晃子さん  10 19 21~

不動さん     10 19 23~

大山さん     10 23 28~  

藍ちゃん       4  19 19~

さくらちゃん    8  18 19~  

諸見里さん    9  19 20~

金田久美子さん  3 19 ?~


ゴルフの開始年齢がどんどん低下しています。現役プロとして活躍している選手の殆どは10歳前後で始めていますが、服部さんや平瀬さんが出現してからのことです。金田さんは3才からですが、今後はこういう選手が増えてくるでしょう。

プロ入り年齢も、ゴルフ開始年齢に合わせて低下傾向です。現在の規定では、基本的には18歳以上でないとプロテスト受験やQT参加はできせんので、その年齢までにプロ入りするには、アマとしてトーナメントに優勝するしかありません。藍ちゃんの快挙が今後繰り返される可能性は十分あると思います。

超一流選手は、プロ入り後、比較的早く活躍をしています。プロ入りの低年齢化が進んでいますから、プロ入り1年~4年が目途でしょうか。

早くからゴルフを始めた選手達ですから、プロ入りしてからすぐにでも活躍できる下地が整っているのでしょう。ただ、その年齢で活躍し始めないと、その後のプロ人生は厳しいものになるかも知れません。


そして、今日のテーマ。

女子プロゴルファーとして第一線で活躍できるのは何歳までか?

先にも言いましたが、身体能力の低下は遅くなる方向であることは間違いありません。

また、ゴルフは経験を積むことでプラスとなることも間違いありません。

であれば、活躍できる年齢はどんどんと上昇するのでしょうか?


小学校に行く前からゴルフをしている選手は、プロ入り前にはかなり経験を積んでいることになります。プロ入り後の上積みはそれほど大きくないかも知れません。


藍ちゃんやさくらちゃんが40歳を過ぎても、年間5~6勝しているかも知れませんし、逆に、30歳になった頃には、もっと若い選手達(今の中学生世代)に追いやられているかも知れません。


さくらちゃんは、賞金女王獲得後の雑誌インタビューで「5年でやめるとか、結婚したらやめるという考えが薄れてきた。今はゴルフを続けたい。」と言っていました。欲が出てきたのでしょう。大きな変化です。さくらちゃんファンはホッとしているでしょう。


でも、30歳になったさくらちゃんがプロゴルファーを続けているという保証はどこにもありません。


5年後や、30歳を迎えた時、今のように超一流であることがさくらちゃんにとっては現役を続ける条件なのだと思います。

何故かと言うと、「ボロボロになってまでプロゴルファーをしたくない」というのが彼女なりの美学だと思うのです。