「げっ…」
「イムジャ…今なんと…」
すっかり油断し鼻歌交じりで浮かれていた矢先、突然の夫チェヨンの帰宅
ウンスはあまりに驚いて、思わずやましさが口の奥から漏れ出てしまう
うわぁ~何でまた…最悪だわ
よりにもよって、何でこのタイミングで帰ってきちゃうの?
タイミング悪すぎよ
ウンスはアハハ…と引きつり笑いをして、その場を取り繕うとする
しかしチェヨンが、そう簡単に目の前の現実を見逃すわけはない
「あっ、あなたは一体、俺の留守に何をしておるのですか!!」
苛立ちを露わにし、こちらに詰め寄ってくると、ウンスの腕をグイと掴み上げた
まずいわ相当怒っている
「アハハ…見つかっちゃった?」
凍りついたようなチェヨンの表情
ウンスはピリリと張りつめた空気から逃げ出したくて、場を和ませるように苦い笑いを浮かべるが…
勿論そんな事は何の足しにもならず、チェヨンに通用などする訳がない
「イムジャ!何なのです!その姿は…」
ヨンァは明日からしばらく、チョナの行幸のお供で留守にする予定だった
その用意のため今日は遅くなり、まず帰ってこれないだろう
そういう風に聞いていた
だから、今日がチャンスだと思ってたのに…
あ~ん、ヨンァったら。何でまた、こんなに早く帰ってきちゃったの?
バレちゃったじゃないの…
どうしよう?みんなと約束しちゃったし、今日なら大丈夫って大口も叩いちゃったわ
今さら中止なんて、そんなシラケた事は言いたくないのに…
だからと言って絶対私のこんな姿みたら、この人が許してこのまま素直に行かせてくれるはずがない
本当にショックだぁ…
まるで私…断崖の絶壁に立っている気分
何とかならないかと、頭の中でぐるぐると言い訳を考えるウンス
そんなウンスを、怒気を帯びた顔色で強く睨み付けるチェヨン
あぁ、怖い顔…
今日も…蛇に睨まれた蛙だわ
このままじゃ、可哀想な私、ヨンァにまたきっと食べらてしまうのよ
ガブガブガブ…(;ω;)
ウンスは半べそを浮かべると、び~っと唇を歪めたのだった
「イムジャ!! きちんと説明をして下さい」
「えっ…ほっ、ほら、春だし
」
それは咄嗟に出た言い訳だった
「春だし?そんな言い訳で、済むとでも思うのですか?」
あはっ。済むわけがないわよね
「ほっ、ほら、胸元だって、股の部分だって隠れているでしょ?」
一応、今回のコスプレは、デリケートゾーンはしっかりと隠れているわよ
まぁ、後ろはこれでもかって位、しっかりスリットが入っているけど…
これだったら、水着と同じでしょ?現代では許される範囲なのに…
この薄絹だって、まるでパレオみたいだし
だけどそんな言い訳が、この人に…通用する…訳がないわよね
ウンスは余りのタイミングの悪さに落胆し、大きな大きなため息を落としたのだった
チェヨンが一度でもこうなったら、下手な誤魔化などきくはずがない
「女子会なのよ」
ウンスがしぶしぶと、話をし始めた
「じょしかい?」
不満げな顔を崩さず問い返す
「うん。女の人だけで集まって、ファッションショーをやろうって話になったの」
チェヨンの目を見るのが気まずくて、ウンスは目を斜め下に泳がせた
「女たちだけで、ふぁっしょんしょー?ふぁっしょんしょーとは何ですか?」
訝しげな顔をして問い詰める
「えっと、それぞれが、お気に入りの服装を着てお洒落をしてくるの。で、それを見せ合うのよ」
「衣を見せ合うだと?」
「うん…」
「はっ、イムジャ…あなたはそのような姿を、他の者に見せようなどと、戯けた事を考えたのですか?」
その衣はイムジャの白い肌があちらこちら、徐に曝け出されておる
何と呆れた事を思いつくものだ
この方はそれを、俺以外の者に見せようなどと考えたのか?
腹の底から怒りがこみ上げてくる
「ねぇ、ヨンァ。だって女子会よ?」
ここで弱気になったら負けだと、努めて強く言い返すウンス
「……」
突然の反撃に一瞬言葉を失う
「女の人しかいないもの。だからあなたが思うような事はないわ」
邪魔をされたらまずいと、ウンスは懸命に、チェヨンの説得を試み始めた
正論と言えば正論
だが相手が女といえど、イムジャの肌を誰にも見せたくなどなかった
「なれど…」
若干、威勢がくじかれる
「なれど?会場に行くときだって、この上に羽織っていくし、問題ないでしょ?」
あら、何だかいい感じ?
これって形勢逆転かしら?
「問題がない?問題だらけだ。いくら女たちしかおらぬとは言え、そのように裸同然ではないか」
少し俺が弱い顔をすれば、すぐにこの方はつけあがる。させてなるものか
あら、ヨンァったらしぶといわね
「だって仕方ないじゃない、ファッションショーのテーマが天女なんだもの」
「天女?」
「そうよ。みんなでテーマを決めたの。天女に扮してファッションショーなのよ」
チェヨンは天女に扮したと言うウンスの言葉に、改めてはっとさせられた
そこに来てはじめて、ウンスの頭から足の先までを、じっくりと見眺めた
目にした瞬間から露出した肌にばかり目が行き、ウンスがどのような衣を纏っているかなど気にかけもしなかった
しかし意識をそこにやると、幻想的なその風貌は息を飲むほど妖艶で、今まで目にした事ないような美しさだった
(イメージ画像:アメ限定)
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今さらながらに、天女に扮したウンスの姿に、目がくぎ付けになる
チェヨンは口の中に充満した唾を、ゴクンと飲みこんだ
あらっ?あらら?
説得もしかして上手くいったかしら?
小言が止まった様子のチェヨン
ウンスは心が小さく踊り出した
もしかして、セーフ?
チェヨンの様子を横目でちらりと見ると、完全に我を忘れたように茫然としている
これはもしや…私ってば助かったぽいよね?助かったわ~
ラッキーと、心の中でくすりと笑った
予想に反して手ごわい敵を、打ち負かせたかのように見え、油断をしたウンスは気を緩めそうになった
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こちらの二人の写真が凄く好きだと言ってくださったので、ちょっと修正版をアップしましたよぉ
昨日よりヨンを工夫しています。変えたの分かりますか?
(↓ ヨンの目を少し強く)
(↓ ウンス白いからヨンの肌色が難しいです。携帯とパソコンで色の見え方が違う)
小話
「トリョンニム…あなた様のようなお方が来るべきところではありません」
「そんな風に呼ばないでくれ。昔と変わらずヨンと…俺が…離れられぬのです…」
「あぁ…もう、私は汚らわしい身。どうか…どうか、私を自由にしてくださいませ」
「ウンスや…やっと見つけたのです。そのような事、出来るわけがあるまい」
「あぁ、どうかお放しくださいませ」
「ウンスあなたを心の底から慕っておるのです。このままでは、この身が燃えつきてしまそうだ…」
チェヨンはそこまで台詞を言いかけると、突然演技を止め顔を顰めて…
「はっ、何だこれは」
吐き捨てるように言い放った
「やだ、何よ」
「何が、このままでは、この身が燃えつきるだ。馬鹿げた陳腐な話だ」
「やぁ、ヨンァ。勝手に止めないで。ちょっと、真面目にやってよ」
「やってられません」
「なによ、それ酷いわ。それじゃ、練習にならないじゃないの」
「そもそも何です?何ゆえイムジャが、妓生の役など引き受けるのです」
「仕方ないじゃない。ユジンさんが熱で倒れちゃったんだもの。みんな楽しみにしていたのよ?穴を空けるわけにいかないわ」
「馬鹿ばかしい」
「馬鹿ばかしい?そんな風に言うならいいわよ。テソさんと練習するからいいわ。ちなみに濡れ場もあるのよね…」
ウンスはチェヨンを、ふんと見下ろして態とがましく呟いた
「はっ、何だと?濡れ場だと言ったか?もしや、あの女ったらしが相手役なのか?」
「女ったらしって酷いじゃない。そうよ、テソさんが、トリョンニムの役よ」
「なりません」
「なりませんって、あなたね」
「今すぐ断りを入れて参ります」
「やだ、止めてよ。もう、私代役オッケーしちゃったわよ」
「おっけぇだか、何か知らぬが、そのような事を俺が許せると思うのですか?」
「いいわ。許せないって言うなら、じゃぁ、あなたが相手役をやってよ」
「は?」
「あなたがやれば済む話でしょ。トリョンニム。演技もまぁ、悪くなかったわ」
ヨンァならビジュアルも問題なし♪
「……わかりました」
「えっ、やってくれるの?じゃぁ、もう一度最初から練習しましょ」
この人が若様役なんて素敵だわ
「キャーちょっと、やだ、何するのよ」 ← いつものごとくお姫様抱っこ
「練習を致しましょう」
「練習って、ちょっとだから、やっているじゃないの。下してよ」
「濡れ場から練習します」
「えぇ、あんなの冗談よ。嘘よ嘘」
「ならば、新しい脚本を俺が用意します。俺は主役ですから」
チェヨンは不敵な笑みを浮かべ、叫ぶウンスを無視して、閨へと向かったのだった
台本あらすじ;
元々許嫁だったのだけど、ウンス父がヨン父に逆賊の濡れ衣着せられ妓生となり、後に再会。ヨンは父の悪行を知り、悩む。愛し合う二人の運命は如何に!?
勝手にお借りしました(笑)
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