大混戦となった最終日でしたが、前半は昨日と同じようにスコアを伸ばす選手がいる一方で、上位陣のスコアが伸びずに混戦に拍車がかかりました。一時は岡山絵里選手が単独トップになったり、一打差以内に10人近くひしめき合う時間帯もありました。

 

そんな中で昨日トップのウーチャイェン選手が、11、12番の連続バーディで抜け出し、16、17番も連続バーディとして優勝を引き寄せました。今大会は定評のあるショット力に加えて、長尺に変えたパットが安定していました。昨年エリエールを勝った時に、パットさえ良くなれば女王争いもできる選手と書きましたが、パットが安定すれば本当に強い選手だと思います。ただ、長尺パターはどうしてもパットで悩んだ選手が使うパターの印象はぬぐえず、過去年間を通じて長尺パターが安定している選手はそんなに多くないと思います。今季はまだ試合数少ないですが、彼女のパットのデータもそんなに良くありません、今後もこのパットの好調さが続くか注目ですが、パットが安定すれば佐久間選手や菅選手にとっても怖い存在になると思います。

 

混戦となった今大会ですが、最終的には実力者が順当に順位を上げました。2位タイには岩井明愛選手と佐久間朱莉選手。4位に岡山絵里選手、5位タイには竹田麗央選手が浮上しました。明愛選手は、1番イーグル、2番バーディでまたたく間に優勝戦線に食い込んできましたが、その後はパットが今一つで優勝には届きませんでした。佐久間選手もショットが安定していて、最後は連続バーディで2位まで順位を上げました。さすがです。これでメルセデスポイントも菅選手を逆転して、首位に再浮上しました。竹田選手も今大会ドライビングディスタンスで全体トップ、パーオン率でもトップと、実力を見せました。ショットが素晴らしく、パットが今一つというのは、米ツアーでのデータと全く同じ傾向で、そういう意味では自分のゴルフはできていたと思います。

 

5位タイには他に、吉田鈴選手、稲垣那奈子選手、安田佑香選手、小林光希選手が入りました。吉田鈴選手と稲垣選手はパーオン率が全体3位、4位と大会を通じてショットが好調でした。吉田選手は初シードに向けても大きな上位となりました。稲垣選手の場合はパットですね。3パットも少し多いので、この辺を改善するだけでも成績はかなり良くなると思います。安田選手は今日はショット、パットともに今一つでしたが、それでもよくスコアをまとめたと思います。小林選手も今日はショットが今一つでした。最終日までショットの好調さが続けば、十分初優勝のチャンスはあるでしょう。

 

10タイには桑木志帆選手や仲村果乃選手らが入り、終わってみると実力者はしっかり上位に上がってきています。昨日まで頑張っていた皆吉愛寿香選手は今日5オーバーで16位タイに終わりました。パットでスコア作っていく本来のゴルフができませんでしたが、それでも出場した5試合すべて予選通過、メルセデスランクも100ポイント以上稼いで現在29位。ゴルフのスケールとしては物足りなさは残るものの、上々のシーズン序盤です。小林光希選手もそうですが、最終日にもう少し耐えられればより上位も目指せるでしょう。

 

富士フィルム・スタジオアリス女子オープンの2日目は、若干風があったものの、温かい天気になりました。スコアを伸ばす選手も多かったのですが、トップが思ったより伸びずに、途中5~6人が首位に並ぶなど、混戦になりました。

 

2日目8アンダーでトップに立ったのは、17、18番の連続バーディで抜け出したウーチャイェン選手。今季序盤は調子が上がりませんでしたが、先週はショットの調子を上げてトップ10に入りました。その調子を今週も維持して、2日目トップに立ちました。以前から書いていますが、ともかくショットが良く、問題はパットです。今週は長尺のパターが比較的調子が良いのでツアー2勝目のチャンスです。

 

1打差の2位タイに4人。先ず吉田鈴選手ですが、ショットが本当に良く、今日は危なげないゴルフでした。2日間のパーオン率は86%で全体トップ。初シードも初優勝も十分視野に入っていると思います。連覇を狙う安田佑香選手も好位置をキープ。昨年に比べショッが切れています。小林光希選手も好位置をキープ。やはりパーオン率が高くショットが安定しています。最終日がうまくプレーできないことが多いので、明日は自分のゴルフができるかがキーになりそうです。昨年のステップアップツアー2位の皆吉愛寿香選手も2位タイで頑張っています。飛距離はそんなに出る方ではないのですが、ここまでショット、パットともに安定したゴルフができています。

 

さらに1打差の6位タイに、稲垣那奈子選手、高野愛姫選手、寺岡沙弥香選手。初日トップの稲垣選手は、今日は3パット3回とパットが不調でした。元々パットはそんなに良い選手ではないので、パットの調子が優勝争いに踏みとどまるかの鍵になりそうです。高野愛姫選手はショット、パットのバランスが非常に良い選手で、その意味では安定的な成績を残せる可能性のある選手です。今季はここまでパットが今一つ調子良くなかったですが、今週はパットが復調しています。逆にショットがまだ本調子ではないかもしれませんが、2勝目のチャンスも十分あります。寺岡沙弥香選手は、今週はややパットに救われている感じになっています。

 

さらに1打差の9位タイに、先週プレーオフで敗れた仲村果乃選手、ブレークの予感を感じさせる吉澤柚月選手らが付けています。吉澤選手は何度かこのブログに書いていますが、トップ選手に引けを取らない実力があると思います。リランキング突破は確実ですので、中盤以降の試合出場は多くなりますが、前半は主催者推薦でのチャンスを活かして、ポイントの上積みを図りたいところです。

 

佐久間朱莉選手は今日4アンダー、通算も4アンダーの13位タイに浮上してきました。13位タイグループには岩井明愛選手、竹田麗央選手も付けています。ここでもトップと4打差ですので、彼女たちの実力を考えると、ここから優勝争いに加わることも充分にありそうです。

 

菅楓華選手が今季初めての予選落ち、連続トップ10も5試合で止まりました。長いシーズンを考えると、こういう大会もあるでしょう。渋野日向子選手もショット、パットともに良いところなく予選落ちとなりました。昨日、米ツアーのデータではショットに復調の気配ありと書きましたが、今種はパットだけでなく、ショットも良くなかったですね。何とか復調のきっかけをつかんで欲しいです。

 

上位は混戦ですので、最終日に下から大きく追い上げる選手も出てくるかもしれません。手に汗を握る優勝争いとなりそうです。

 

今日から富士フィルム・スタジオアリス女子オープンが埼玉県で始まりました。米ツアーがオープンウィークのため、竹田麗央選手、岩井姉妹、渋野日向子選手も参戦。現在好調の菅楓華選手や佐久間朱莉選手との対決に注目が集まります。

 

そんな中で初日首位には7アンダーで稲垣那奈子選手。早稲田大学出身で、昨季1勝、年代としては古江選手らと同じプラチナ世代になります。今季は5戦中予選通過は1回と調子が上がりませんでしたが、今週は首位発進となりました、昨年も1勝しましたが、それ以外は今一つの活躍で、データ的にも余り見るものがありませんでした。今季もここまで調子が良くないので、データは良くないのですが、現在ドライビングディスタンスは8位、飛距離が昨年より伸びています。飛距離が出ているということは、球をしっかりとらえていることであり、セカンドも短い距離で打てるので、ショットの調子の一つのバロメータにはなります。明日以降も稲垣選手に注目です。

 

2位は小林光希選手。今年はしばしば上位に顔を出しています。前にも書きましたが、昨年はパットが良かった選手ですが、今年はショットが大きく改善しています。今日もパーオンは16回で、全体トップタイです。初優勝も近いかもしれません。

 

3位タイには大出瑞月選手と吉田鈴選手。大出選手は毎年シードまでもう少しという位置にいますが、昨年もメルセデスランクは56位、今までシードを取ったのは2018年の1回だけです。シード権確保のためにも、今週は上位にとどまりたいところです。人気のある吉田鈴選手ですが、姉の優利選手と違い、ショットでスコアを作る選手です。今日もパーオン16回と全体トップタイ。今年はシードを取れそうな勢いです。

 

昨年この大会優勝の安田佑香選手は4アンダー、5位タイと好スタート。安田選手も今年は良くボールが飛んでいます。数年前に飛距離が落ちていた時期がありましたが、昨年から少し復活してきています。今年は目立ってはいませんが、5戦すべて予選通過と安定したゴルフができています。アマチュア時代はプラチナ世代を引っ張っていた選手、かつての輝きを取り戻し、今年飛躍しても不思議ではありません。

 

米ツアー組では、竹田麗宇央選手が3アンダー、11位タイとまずまずのスタート。日本だと飛距離は圧倒的で、大きな武器になっています。岩井明愛選手は2アンダー、千怜選手は1アンダーのスタート、明日以降スコアを伸ばせるか注目です。渋野選手は1オーバー、57位タイと出遅れました。ショット、パットとも今一つでした。なかなか復調できない渋野選手ですが、今年の米ツアーのデータでは、ショットに復調の兆しが見える反面、パットが不振に陥っています。昨年はショットに明らかに難がありましたが、今年はショットは復調してきています。元々パットも悪い選手ではないので、どこかでパットの調子をつかめば、復調できる可能性はあると思います。明日は予選通過ラインの攻防になりそうですが、ぜひ3日間プレーしてもらいたいです。

 

菅楓華選手、高橋彩華選手は1アンダー、35位タイ、佐久間朱莉選手はイーブンパー、49位タイ。これらの実力者が明日以降どれだけスコアを伸ばすのかにも注目です。明日以降もスコアが伸びそうですので、多くの選手のバーディを取るシーンを見たいですね。熱戦に期待です。

 

米国ツアーのアラムコ選手権についても書きたいと思います。サウジのオイルマネーによる新規高額賞金大会として開催され、欧州女子ツアー(LET)との共催となりました。舞台となったシャドークリークGCはトム・ファジオ設計のラスベガスの高級リゾートコースで、林間コースに見えますが、周りが砂漠の人工のコースです。米女子ツアーでは一昨年までマッチプレーで使用しており、古江彩佳選手が2位に入ったことのあるトーナメントでした。今回ストロークプレーとなって、改めてコースの難しさが際立ちました。大きくうねっている、硬くて止まらないグリーンが容赦なく各選手を苦しめました。結局、アンダーパーは4人だけという我慢比べの大会になりました。

 

優勝したのは、米国の中堅選手のローレン・コフリン選手。ツアー3勝目ですが、今まで勝ったのがスコットランドとカナダですから、米国本土での初優勝となりました。前半2バーディで2位との差が6打に開き、危なげなく勝ちました。今季はここまでそれ程調子が良くなかったのですが、今週は強かったです。キャリア通して、グリーンを狙うショットが強い選手です。

 

2位にネリー・コルダ選手とレオナ・マクガイヤ選手が入りました。勝つことはできませんでしたが、今年のコルダ選手は本当に強いです。ショートパットを外すなどパットに不安定さは残しているものの、それを上回るショットが光ります。今季ここまでグリーンまでで稼いだ打数は5.5打でトップ、2位の選手を2打近く離しており、圧巻の数字となっています。今回のような硬いグリーンだと、ティーショットを飛ばして短いクラブで正確にピンを狙えるコルダ選手に特に有利だったかもしれません。

 

単独4位に山下美夢有選手が入りました。昨年米ツアー参戦で、このコースは初めてだったはずですが、良くスコアをまとめたと思います。コルダ選手とは対照的にパットが良いです。パットで稼いだ打数は昨年トップでしたが、今年もここまで3位と自分のゴルフができています。ここまでがアンダーパーで、通算イーブンパーの5位タイには岩井明愛選手が、最終日3アンダーで追い上げました。2オーバーの9位タイには畑岡奈紗選手が粘りました。

 

原英莉花選手が最終日4オーバーとスコアを落として23位タイ。原選手は3日目の3アンダーが見事でした。CNEポイントも48位に付けていますので、このままの調子でいって欲しいですね。グリーン周りとパットを改善できれば、もっと上昇することも可能だと思います。古江選手は最終日3アンダーで追い上げて35位タイ。2日目、3日目がもったいなかったです。昨年からボギーが多いのが気になります。

 

米ツアーは来週のオープンウィークを挟んで、JMイーグルLA選手権、そしてメジャーのシェブロン選手権へと続いていきます。日本選手のますますの活躍に期待です。

 

ヤマハレディス最終日は激動の一日となりました。前半4つスコアを伸ばして主導権を握ったのは菅楓華選手で、14番のバーディーで10アンダーにした時はそのまま優勝するかと思いました。しかし、難易度の高い16番でティーショットを左に曲げて林の中へ、1打で脱出できず、まさかのトリプルボギーとなり、終盤で一気に混戦になりました。その直後、高橋彩華選手が18番でショットインイーグルで8アンダー、トップの仲村果乃選手に並んでホールアウト。18番で荒木優奈選手もバーディを決めて、8アンダーに並び、3人のプレーオフになりました。18番を使用してのプレーオフは最初のホールで、高橋、仲村選手がバーディ、荒木選手はパーで脱落。2ホール目で高橋選手が連続バーディを奪い優勝しました。見ごたえのある試合でした。

 

優勝した高橋選手は昨年度パーオン率トップのショットメーカーで、今日の18番はプレーオフを含めて3度回りましたが、アイアンの精度の高さに脱帽です。ショットインとベタペン2回ですからね。ショットメーカーの面目躍如でしょう。今年は2戦目、3戦目で難しいコンディションの試合があったため、パーオン率自体は昨年より落としていますが、現在パーオン率のランク5位と、今年もこの部門の上位は間違いないでしょう。

 

プレーオフを敗れた仲村果乃選手も、今大会はショットが良かったです。今年も活躍してくれるでしょう。同じくプレーオフで敗れた荒木優奈選手は、元々パットも上手い選手ですが、今季はそこまでパットが良くない中でここまで調子を上げてきました。2勝目も近いと思います。

 

1打差の4位に菅楓華選手。この試合は少しショックかもしれませんが、開幕5戦で全て6位以内、メルセデスランクも佐久間選手を逆転してトップに立ちました。少し気になるのは、小技とパットが調子が良いのに比べ、ややショットがぶれているような気がします、データでも今大会のパーオン率はそんなに高くありません。ここまで全試合出場し毎試合優勝争いしているので、疲れもそろそろ出てくるころだと思います。この後3日間トーナメントが2週続くので、リフレッシュして臨んで欲しいです。佐久間選手は今日2オーバー、17位タイに終わりました。体調が良くないようですので、十分休みを取ってまた良いプレイを見せて欲しいです。

 

5位タイには仲宗根澄香選手、政田夢乃選手、川崎春花選手、穴井詩選手が入りました。仲宗根選手は終盤まで上位争いをする中で、スコアを崩さずによく頑張ったと思います。79.5ポイントを稼ぎ、第1回リランキング突破は間違いないでしょうから、久しぶりのシードに向けて頑張って欲しいです。政田選手も今日5アンダー、快心のラウンドでした。今大会はショットが良く、パーオン率は全体3位タイでした。メルセデスランクも15位に浮上。昨年に比べショットが良くなっていますので、初シード、初優勝が期待できそうです。川崎春花選手は本来のショットの良さが戻ってきました。メルセデスランクも14位に浮上。シード返り咲き、2年ぶりの優勝が十分見えてきています。

 

ルーキーの藤本愛菜選手は今日4アンダーで、9位タイ。2戦連続のトップ10となりました。ここまでパーオン率6位とショットが安定しており、躍進の兆しが見えます。もう一人の注目ルーキー、伊藤愛華選手も今日1アンダーで回り、36位タイ。昨日がもったいなかったですが、4日間プレイできたことは、今後の大きな一歩になったことでしょう。

 

その他の選手では、ここまで調子の良くなかったウーチャイェン選手が、今日5アンダーで9位タイ、尻上がりに調子を上げてきました。武器であるショットが日に日に良くなった印象です。問題はパットですが、これから上昇していきたいところです。

吉澤柚月選手は今日パープレイ、12位タイとまずまずの位置で終了しました。スコアを崩さなかったのは大きかったです。吉澤選手もショットがともかく良かったです。今大会パーオン率は全体3位タイでした。規定ラウンド数に達していないため順位が付いていませんが、今季パーオン率は7位相当に付けています。2試合しか出場していなくて、その内の1試合は各選手が苦しんだ台湾の試合でしたので、このデータの素晴らしさがわかります。

 

来週は富士フィルム・スタジオアリス女子オープンが開催されます。米国ツアーがオープンウィークですので、竹田選手、岩井姉妹、渋野選手らが出場する予定です。来週も熱戦に期待です。