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■株式投資の場合は、非ゼロサムだが
投資や投機の性質を説明する際に「ゼロサム」か「非ゼロサム」かといわれることがあります。
この場合、一般に「ゼロサム」という場合には、参加者の損益の総和が(各種手数料を除いて)ゼロになるもの、「非ゼロサム」という場合は、ゼロにならないもののことを言います。
しばしば例に挙げられるのはギャンブルと株式投資です。ギャンブルは参加者の掛け金から勝者の取り分が支払われます。つまり、敗者の負け分+勝者の勝ち分+運営者のコスト(手数料・税金等を含む)を合計するとゼロになります。
一方、株式投資の場合は、非ゼロサムなので、全体の富が増えたり減ったりします。現物株式だけの例で考えると、最初にある株式を持っていたAさんがBさんに売って、Bさんが値上がりした後でCさんに売却したとすると、Bさんが利益を得ているだけではなく、その時点において富の総和が増えています。
■ 外国為替投資はゼロサム?
一般に外国為替取引はゼロサムといわれることが多いと思われます。例えば「ドル売り円買い」は「ドル売り」であると「円の買い」であり、立場をかえると売買の方向が逆になるということからもゼロサムであることが分かりやすい取引形態であるとされています。
ただし、これらが常にゼロサムであるかどうかは議論が分かれます。例えば、米国政府が基軸通貨の特権を活かしてこれからも米ドルを遠慮なく刷り続けるとしましょう。すると、世界中に米ドルはあふれることが誰の目にも明らかになり、米ドルの他通貨に対する交換レート(つまり価格)は下がり続けることになります。そうなると極めて長期間に亘って米ドルの売り手が儲けて、買い手が損をするという非ゼロサムな状況もありえるのかもしれません。
■eワラントは原資産の特性を考える必要あり
eワラントのように原資産がある取引の場合は、そのものだけを見れば損益はゼロサムになっていると思われがちです。
しかしながら、例えばマーケット・メーカーはリスクをヘッジする取引を行っています。このため、株式を原資産とするeワラントは非ゼロサムである一方、仮に外国為替取引がゼロサム的であるとするなら為替リンク債を対象とするeワラントもゼロサム的な要素が強くなる可能性があると考えられます。つまり、eワラントがゼロサムであるかどうかは、原資産によるといえるわけです。
■外貨投資を続けるには非ゼロサムという確信が必要?
ゼロサム(あるいはゼロサムに近い状況であることが多い)投資を繰り返すと理論上は損益がゼロに近づくと考えられます。
実際はこれに手数料等のコストが加わるのでマイナスになる可能性が高くなります。このため、外国為替相場に対して長期的な投資を行う場合には、これが非ゼロサムという前提を持っているか、他の誰にもまねができないようなエッジ(独自の強み)が必要と考えられます。
なお、一般に、市場規模が小さい、情報が偏在している、市場参加者が少ないといった市場であれば、エッジが得られやすく、円ドル相場のように巨大で参加者が多く、情報が溢れている市場ではエッジがもちにくいと言われています。多くの場合は、エッジがないゼロサム投資を避け、エッジがある非ゼロサム投資を探す方が有効です。常にこの観点から投資対象を探せば、リターンは向上しやすいと考えています。
さて、では次に話題を変えて、秋の投資について考えてみましょう。秋に株が下がったところで拾おうなどと考えているのはちょっと甘いかもしれません。
■秋の投資は2012年を見据えるべし
今年も夏相場は荒れました。これから秋に多い波乱となるか、いったん落ち着くかは分かりませんが、相場が荒れた後にはチャンスが多いもの。日本だけをみれば8月末にリーダーが交代する可能性が高まり、人心一新、相場も復調か? と思っている方々もいるかもしれません。そうであれば、「今年の秋も仕込み時? 」と腕まくりで待ち構えるスタンスもありえます。
しかし、2012年は、ちょっと普通の年とは違う政治の当たり年。大きな変化が始まる可能性があるのでそれに合わせたポジションが有効と思われます。
■2012年に世界のリーダーががらりと変わる?
政治体制が変わればリーダーの影響力も変わってきます。2012年に予定されているのは、アメリカ、ロシア、中国、フランス、台湾、韓国といずれも強いリーダーシップが発揮されてきた国々です。短期間での交代が多い日本の首相よりも安定的で強い権力を持ったポジションといえるでしょう。有力国でのリーダー交代は国際政治のバランスを変え、世界の景気やエネルギー情勢にも大きく影響を与える可能性もあります。
2012年の有力国の選挙の時期(推定含む)
2012年3月ロシア大統領選挙
2012年3月台湾総統選挙
2012年5月フランス大統領選挙
2012年秋中国共産党大会
2012年11月アメリカ大統領選挙
2012年12月韓国大統領選挙
■大きなトレンドはおそらく変化無しだが
中国やインドなどの新興国が先進国並みの生活水準の達成を目指して驀進する一方、日米欧は低成長や債務拡大の懸念が残ることで不透明感があります。その結果として、世界全体でみれば資源の奪い合い、市場の囲い込みという長期的なトレンドには変化が無いでしょう。
一方、各国のリーダーが任期中に何を目指してどういう政策をとり、それが資本市場やコモディティ価格にどう影響を与えるかは極めて予測しがたいものがあります。また、必ずしもマーケットにとって悪い方向の変化だけとは限りません。
■2012年に備える
政治の大変革が、マーケットにはプラスでもマイナスでもありえるという可能性を考えると、それに備えるには、2つのポイントが重要となりそうです。
まず最初に、チャンスに備えて投資余力を残しておくことです。「相場の金と凧の糸は出し切るな」という投資格言があるように、目一杯投資をしてしまうと身動きが取れなくなってしまいます。悪い方向の変化である場合に備える意味でも、下がったところで買いに入るためにも、投資資金の現金比率を高めておく必要があります。
もう一つは、変化がプラスになる場合に備えて、投資ポジションを10-20%の資金で持ち続けることです。小額でも良いから株式やコモディティ、為替などに投資を続けて、相場から目を離さないという意味もあります。この意味でも3000円もあればいろいろなものに投資できるeワラントを上手に使うと投資の幅が広がると思われます。
eワラント及びニアピンeワラントの手数料及びリスクについて、こちらをご確認ください。
(土居 雅紹)
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