私は頑張りたかった

大好きな人といつか一緒になりたいと思った

大好きだから一番になりたかった

現実なんて分かりきってるのに、私は真剣にそう思っていた




だけど未確定の未来のために、自分の心をすり減らす意味?メリット?が分からなくなった


ここまで彼を思う気持ちだけで突き進んできた



一緒になるなら

彼の全てを受け止めよう


自分にとって都合の良くないこと、知りたくないことでも、目を背けずきちんと知ろう


正面から向き合おう



私なりにそうして来たつもり


だからいつも嫉妬にまみれ、不安は募り、黒い感情が渦巻く

その結果定期的に私は不安定になる


泣いた日も数知れず

あなたはわたしの涙を見ると、いつも涙を拭いて抱きしめてくれた

「未来のために頑張ろう」って


その度に未来を夢見てまた立ち上がってきた


だけど…

あと何回同じことを繰り返す?


また私は黒い感情に飲み込まれていくの?



それなら今だけを見て、耳障りのよい言葉だけをすくって、愛されていることに浸ればいい



あと何年も同じ思いをした後、万が一望んだ彼との生活が手に入ったとしても

それが私の思い描いたものだという保証はない



今の生活を整理する労力、失うものの多さを考えると、踏み出すのを躊躇うのも無理はない

それはお互い様


それなら気が済むまでこの関係を続けて、今の生活に戻ればいいのではないか?



初めてこんな考えを持った

良いとこ取り


なんの責任も持たず、ただ今だけを楽しむ


知りたくないことは知らないまま

自分にとって都合の良いところだけを選び取る


そうすることを考えたら


急に自分の肩書が「愛人」になった気がした

今までだってそうなんだけど


私は彼に言った

「もうこのまま愛人でいいよ」って


彼だって私に泣かれるのは嫌だろう

未来を託されるのも重荷だろう

どうするの?って詰められるのも面倒だろう


でも、心のどこかで受け入れないでほしい自分もいた


未来のある純粋な恋愛をしていると信じたかったから




あなたは

「しずくが愛人でも、恋人でも、本妻でも、どんな肩書でも、しずくが好きだよ」


「自分は一縷の望みがあるのなら未来を信じたいよ、しずくが自分の希望の光だよ」

と私を真っ直ぐ見て言った


彼はいつも私の想定外の言葉を返してくる


私はいつも白か黒かをはっきりさせたくて選択を迫るけど、

彼はいつもブレない自分の思いを伝えてくる



私は自分の立ち位置を気にしてる

彼はどんな立ち位置かではなく、私そのものをいつも大切に想ってくれている


そういう彼が私は大好きなんだ


引き留めるためだけの口先の言葉ではないと私は思っている

だって、私を愛人にするにはメリットが少なすぎるから




毎朝起きたらあなたのことを考える

あなたがいる日は嬉しい

あなたがいない日は気が重い


そんな毎日を繰り返している



結局話をしたその日に結論は出なかったけど、

翌日起きて真っ先に彼を思い浮かべた

彼が恋しく、愛おしく思った



やっぱり私は彼が好きなんだと再確認する



私に良いとこ取りは出来ないのかもしれない

もし出来たとしたら、それは彼への想いが落ち着いたときなのかもしれない