皆さま ごきげんよう

 

 

銀座がどんどん進化しています。

 

古くからの銀座を知る 私たち世代には複雑な思いも

 

ありますが、 今は昔と さびれてしまう 寂しさを思えば、

 

新しい風を 吹き込むのも 必要なことなのかもしれません。

 

銀座の大通りにあった 老舗のデパート、銀座松坂屋跡地に

 

〝GINZA SIX〟がオープンしたのは 4月20日のことでした。

 

先日も FENDI のレセプション・パーティーに伺いましたが、

 

今回もまた 驚きました!

 

自宅近くの渋谷 松濤にあった 能楽最大流派の観世流の

 

本拠地である 「観世能楽堂」が移転した先が、

 

なんと〝GINZA SIX〟ビルの地下3階。

 

 

時遡ること 寛永十(1633)年、流祖観阿弥、世阿弥音阿弥以来の

 

伝統を受け継ぐ、十世観世重成が 現在の銀座二丁目付近に

 

幕府より 約五百坪の土地を拝領したそうです。

 

当時「能」は、幕府式楽と位置付けられていたため、いつでも

 

速やかに登城し、お役目が果たせるようにと、

 

お城の近くに 住居を構えていたそうです。

 

以来、明治へと 時代が移るまでの 236年間 屋敷や

 

稽古舞台、蔵を設けて 日々研磨に勤めていたのです。

 

そう言えば、 銀座に「観世通り」があったことを 懐かしく思い出しました。

 

そして 長い時を経て「観世能楽堂」が 銀座に戻ってきたのです。

 

とても 感慨深いものがあります。 

 

 

そして今宵は ACT4の主催で  「観世能楽堂」の開場記念として

 

〝25世観世左近記念 観世能楽堂開場記念公演〟が

 

ありました。

 

 

松濤に構えていた観世堂の総檜の舞台がそのまま移築され、

 

中に入ると 静寂に包まれた会場は 凛とした空気に包まれ、

 

何より 素晴らしい能舞台に目を見張りました。

 

 

今回の開場記念公演には、二十六世観世宗家の観世清和をはじめ、

 

各流宗家、流儀を代表する楽師、、人間国宝、芸術院会員方が

 

顔をそろえて、昭和47年4月に行われた松濤の観世能楽堂舞台抜き

 

祝賀能組の番組を再現しているのだそうです。

 

演目は 三種ありました。

・能    「葵上」     観世清和  坂井音雅  森常好

 

・狂言  「棒縛」     野村萬斎  月崎晴夫  高野和憲

 

・半能  「石橋」      観世芳伸   清水義也  森常太郎

 

 

歌舞伎と異なり、 会話の無い世界ですが、よく見ていると

 

お話がよくわかって 笑いが起こる場面も多いのです。

 

シンプルな能舞台に、美しい着物、能面をつけて踊る様は

 

見事です!  源氏物語の中でも有名な「葵上」、光源氏へ

 

思い焦がれるあまり 生霊となった六条御息所が 葵上を責め、

 

高貴な女性の美しさや嫉妬、妬みなどがドラマチックに

 

披露されます。 二十六世観世宗家の 観世清和氏の能は

 

さすがの貫禄、 素晴らしものでした。

 

狂言「棒縛」は、主人が 召使である 太郎冠者と次郎冠者が

 

盗み酒をすることに気づいて、ある一計を案じる。。というお話を

 

狂言師の 野村萬斎氏が 太郎冠者を 面白おかしく演じています。

 

人気の萬斎氏の狂言は品があり、お見事でした。

 

半能の「石橋」では 紅白の連獅子が出てくるのですが、これは

 

歌舞伎の連獅子の原型となったと いわれているものです。

 

歴史と伝統に培われた 日本の古典芸能は 無駄をそぎ落とし、

 

洗練され、美しく、本当に 素晴らしくて感激いたしました。

  

 

舞台の前にて 左から 中山弘子さん、市川右團次さん、江澤三保子さん

 

 

私の隣は 桂文枝師匠、右團次さん

 

素敵な振袖をお召しの樋口百合子さん、ドン小西さん

 

花柳貴彦さん、右團次さんと

 

観世芳伸さん、山階彌右衛門さん、樋口百合子さん

 

観世芳伸さん、清水義也さん、市川右團次さん、

コシノジュンコさん、ドン小西さんと

 

コシノジュンコさん、坂井音雅さんと

 

美しい着物をお召しの皆さまと