皆さま ごきげんよう


先日 名古屋で お仕事があった折、 親しい友人の

山田幹雄ご夫妻が お食事に 招待してくださいました。

老舗の料亭とは 伺っていましたが、 こちらは初めて

でしたので、 とても楽しみでした。

車で お店に近づくなり、 外観からも  その立派さが覗えました。

長く 坂下まで続く 瓦屋根のついた塀、 大きな門をくぐると

手入れの行き届いた青々とした 樹木の数々、 玄関の素晴らしさ!

思わず、 入口にて  記念写真をパチリ

  
 
 


「八勝館」は 明治十年代、 材木商が 別荘として建てた屋敷に

旅館業を始めたそうです。 創業は 大正14年。

八勝館の名は、 明治時代、 雲照律師による禅語

 「八勝道」に由来、 又、 別説には、 ここが丘陵地で、

八方に 山々が眺められた 景勝の地で、 あったためとも

伝えられているそうです。 

雨上がり、 緑が冴え渡った 美しい庭園に 明りが ここ かしこに
ともされ、 幻想的です。
  

美しい苔におおわれ  緑のじゅうたんのようです
  
 
静寂の夕暮れ、 水の音が 涼しげに 打っています。 
私は この 「八勝館」に すっかり心を 奪われてしまいました。
「 御幸(みゆき)の間 」から見える 情景の美しさは 格別でした。
  

(左)「 御幸(みゆき)の間 」の 大きな床の間    
(右)伏籠(ふせご) 昔の貴人は このように着物をかけ、お香を焚き、
香りを染みささせたのですね。 何とも 優雅なたしなみですね。 
  

この広い「御幸(みゆき)の間」で たった三人でお食事。 
とても贅沢な〝時間〟です。
  

昭和天皇の 御宿泊所として 建てられた 座敷。
「御幸(みゆき)の間」から 庭に迫り出した観月台。
ここで シャンパンを いただきました。
 

どの部屋からも野趣豊かな 庭園を望む八勝館のお座敷の配置。

私たちの こころのふるさと 茶事の伝統を守り、 人と人との絆の

大切さを 未来に伝え続けたいとのことです。


水無月のお料理の 御献立をご紹介いたします♪

珍味  一休寺納豆松葉さし と  お抹茶
(左) 先付  鮑塩蒸し 肝鮑煮 白瓜蟹射込み 葛素麺揚げ
(右) 吸物  虎魚すっぽん仕立  糸葱 丁子麩 露生姜
  
   
(左) 造り  茂鰈洗い アオリ烏賊細切り生雲丹 
    花丸胡瓜 南瓜 茗荷 とさか海苔 大葉 胡瓜 山葵
(右) 口取  鱧寿司 はじかみ   
    車海老旨煮キャビア挟み 豆板揚げ ホワイトアスパラ牛肉巻付焼
   

               
  

なんと、 お座敷の後ろで 鮎を焼いてくれるのです! 贅沢ですね!
  

この広~い お座敷を 3人で。  こちらも お贅沢です♪
 

立派な漆の お膳でいただきます♪ 
焼物  鮎青串打ち塩焼き  蓼酢  蓮根酢漬 万願寺焼浸し
    
 
(左) 小鉢  水無月豆腐 じゅん采 山葵 旨出汁
(右) 煮物  冬瓜葛煮  柚子 夏鴨治郎煮 白だつ 千石豆
   

七夕素麺  海老 鶉玉子 椎茸 洗い葱 汁
   

水物  白桃 マスカット ミント 
   

〝七夕〟さまを 迎える準備    竹のみの 石庭
   


八勝館は 四季折々の 季節とともに、 そのお料理も 素晴らしいのです。
   
 

「和」の料理の こころがけは、 五味の調和が 大切だそうです。

甘、酸、 辛、苦、そして 鹹(かん:塩辛さ)の 五種の味を調和させること。

どれが 勝つのでもなく、 しっとりとした 落ち着きを。

さらに 味をつくりすぎず、 素材の持ち味を生かすこと、 これを 淡味といい、

この六味が、 懐石の要諦というそうです。        ( パンフレットより )


数寄屋に遊び、 季節を愛でる、 美しい日本の美意識、 心。

いつまでも 忘れたくない 日本の神髄ですね。

ここだけは 皆さまに軽々しく行かれてみて下さい、

とはいえません。





東京には 「八芳園」 「椿山荘」など、 それは 広く 立派な庭を持った

宴会場がありますが、 「八勝館」の持つ 〝趣き〟は ありません。

これだけ 手入れが行き届き、  この しっとりとした 佇まいを持った

庭園はありません。 八勝館の庭は 〝日本一〟かも と思いました。 

この差は、 個人の所有と 会社の所有の差の 現れでしょうか。 

個人所有の庭園には  オーナーの方の〝慈しむ心〟が かけられています。