皆さま ごきげんよう

先日、 名古屋の 古川美術館 分館 「爲三郎 記念館」 での

米山 和子氏と 祖父江 加代子氏の 感動の

〝つむぐけしき よむこころ〟を ご紹介しましたが、

「古川美術館」においても 特別展が 開催されました。

普段は 初代館長であった 故 古川 爲三郎氏が

戦前から 長年に渡り 収集してきたコレクション、

近代日本画、 油彩画、 陶磁器、 工芸品など

約2,800点を 展示しています。

今回の 特別展は 日本画家 小山 硬氏と からくり人形師 九代

玉屋庄兵衛氏の 交流から生まれた 作品を主軸に

各々の世界で 活躍し続ける お二人の 世界が

観賞できたのです。

 


小山硬画伯が 今回 展示している作品は

生き物や 自然、 風、 空気の色までも

描いたような 白や 銀灰色(ぎんかいしょく)の

美しい世界を 描いたものです。

小山画伯作品を 少し ご紹介しましょう。

「翔」 1989年



「白日(野うさぎ)」 1999年

 

「からくり人形師玉屋庄兵衛」 1997年

   

「唐子」 1997年

 
 

お二人の交流は、 からくりの記事を 雑誌で目にした 小山氏が、

「玉屋庄兵衛に 会いたい」と その工房を訪ねたことから

始まったそうです。



一方、  九代 玉屋庄兵衛氏は 江戸時代より

続く からくり人形師の 九代目で、 伝統的な技法を

守りつつ、 時代や 自身の自由な発想力を 加え、

新しい 創作からくり人形にも 挑戦しているのです。

〝座敷からくり〟の 中から

「独楽廻し」 1996年

 

「茶運人形」 1995年

 

江戸時代の 「文字書き人形」を 基に 今回、

完全復元された 「文字書き人形」

 

「弓曳童子」 1998年

パンフレットからの 写真ですが、 わかりますか?

弓を曳き、 的に向けて 矢が きちんと 飛んで行くのです。

〝座敷からくり〟の 最高峰と言われるだけあり

その巧みな からくりに 驚くばかりです。

会期中、 この「弓曳童子」の実演がありました。

皆さまにも  実際に ご覧になっていただきたかったです。

名古屋初の お披露目だったのです。

 
 
 〝座敷からくり〟の他、 〝山車からくり〟も 展示されています。

京都の祇園祭りを 御存知のように

全国には数多くの曳き山の祭りがあります。

それらには 依り代(神様が 天下る為の

神うつし)として 人形が載せられることが多く、

それをからくり仕掛けにしたものが

〝山車からくり〟なのです。

展示されているのは 愛知県半田市の

下半田南組の護王車の 「二福神」

 

同じ半田市 西成岩西組の 敬神車の

「鵺 (源頼政 弓張月の対峙)」

 

内部の仕掛けが さぞかし 複雑なのでしょうが

ぜんまい、 木製カム、 調速器、 糸の張りなど

ひとつひとつの 微妙な調整で 動くのが

本当に 素晴らしいです。

今の時代の コンピューター制御の

ロボットとは 全く違い、 すべてお手製なのですから

〝伝統〟〝継承〟とは 貴重で 大事な事なのだと

つくづく 感じました。